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 目をひらけ、目をひらけ、
 一人ひとりが目をひらけ。
 目をひらけ、目をひらけ、
 心のなかから目をひらけ。
 世界に向かって目をひらけ、
 自分に向かって目をひらけ。
 与田準一「ゆめみることば」より

 この詩集は、昭和57年、12歳の息子の誕生日プレゼントにと買い求めたものである。なぜか、その後は私の手元にあり、時折開く愛読書の1つになっている。
 2020年は、今年子の歳に生まれる赤ちゃんが12歳を迎える年である。12年後、いわきに住まう12歳の皆さんに、心を込めて送り届けたい詩集でもある。

 3年前の4月、平東ロータリークラブの船生さん、遠藤さんと連れ立って北海道伊達市を訪れた。そこで、Kさん(52歳男性)、Hさん(54歳女性)と市内の道でお会いし、その翌日自立生活支援センターの職員を介してお2人が生活する2DKの住まいを訪れることができた。結婚して2年目という。嬉しさがいっぱいに広がっている「新婚生活」を垣間みることができ、お2人から多くのことを学ぶことができた。
 お2人とも、知的障害養護学校を卒業後、大規模入所施設に30年近く入所し、自立生活支援センターでの共同生活を経て念願(とりわけ男性にとって)の結婚生活、そして市民生活をたぐり寄せたということである。
 伊達市には、Kさん、Hさんのようなカップルが相当数おり、加えて知的障害者の大半はアパートや住居を活用したグループホームで生活しているという。このような実践が国際的に認められて、伊達市は国際バンク・ミケルセン(ノーマライゼーションの父)賞の栄誉に浴してもいる。
 ノーマライゼーションとは、「障害や病気がどんなに重くても、どんなに年をとっても、どんなに死が迫っていても、人間には『普通 の生活』を送る『権利』があり、社会にはそれを支える『責任』がある」という主張である。
 知的障害者に限らず、障害のある人に対する支援は、「施設から地域へ」と叫ばれてから時が久しい。しかし、当事者の立場に拠った地域支援の実際は、まだまだこれからという感は否めない。
 今、いわきの地では、関係者の努力のもと「施設から地域へ」との大きなうねりが認められる。Kさん、Hさんのようなカップルの数も十数組を数えている。各種グループホームの展開も目をみはるものがある。いわきの地には、もともと「福島整肢療護園」に代表されるように、障害児教育(療育)、障害者福祉の領域で先駆的な役割を果 たしてきた大河内先生をはじめとする多くの先達が輩出されている。いわきには、ノーマライゼーションのための福祉文化の豊かな土壌の醸成が確として存在している。
 2020年、いわきがノーマライゼーションのフロントランナーである伊達市に肩を並べることができるよう、夢を現実にしたく思う。



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