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第119号
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小山実稚恵さんインタビュー
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食めぐり
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DAY AFTER TOMORROW
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風の通る家
アリオス大ホールのステージに置かれた2台のグランドピアノ。1月10日の大安吉日にやってきた。モデルチェンジされた、2007年モデルのスタインウェイで、ピアニストの小山実稚恵さんが選んだ。
1台はアクションがハンブルグ、もう1台はニューヨーク。ハンブルグのものは自分の音色、意志を持ち、中身が詰まっていて色彩豊か、ニューヨークは明るくほどよい音色。それぞれ個性が違う。
小山さんはこれまで、いろいろなホールのピアノを選んでいる。最近感じるのは、いい楽器と感じたものはホールの大きさなどを越えて、よさを出す。持っている芯の部分に生まれつきのもの、マイスターが精魂込めて作ったものがある。だから2台とも「本当にいいもの」を選んだ。
2月9日の小山さんの試奏会前日、ステージで写真撮影があった。撮影前にニューヨークのものはそでに入り、ハンブルクのピアノが残った。選ぶ時に、すぐ「これ」と小山さんが思ったピアノ。情が深いというか、魂が濃くて、弾く人が気持ちを込めて弾けばどんどん凝縮されていくようなピアノ、という。
ショパンのノクターン、リストのラ・カンパネラなどがホールに流れた。ある時期から日本には響きのいい音楽専用ホールが増え、たまには演奏者や楽器の響きでなく、ホールの響きの方が優ってしまうこともある。アリオスの真っさらなホールは自然で、響きすぎでなく、響かなくもなく、かっちりしていて、音の輪郭、個性がそのまま出る。
撮影は続いているのに、徐々にそばでレンズを向けているカメラマンの姿は見えなくなり、客席の人々はその世界に聴き入る。ピアノの持つ力を引き出しながら、ピアニストは気持ちを込め、思う演奏をする。そこには互いの切磋琢磨があり、ある意味、ピアノとピアニストは同士でライバルで、長いつきあいになれば親友になるのかもしれない。
「選んだピアノ、特に今度のは気持ちがあるから、ずっとこの後も、子どもがいたらこうなってほしいと思うように、肉親の感覚みたいなものが生まれるんじゃないかな」。小山さんは言う。「それじゃ、ピアノに名前をつけるとしたら?」と尋ねると「幸せになってほしいし、様子も表したいし」と、真剣に考え始めた。
もしかしたら、4月のこけら落としの小山さんのコンサートには、ピアノに名前がついているかもれしない。
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