医療制度改革の大波のなかで深刻度を増している病院の勤務医不足。いわきでも、安心安全の最後の砦として市民の生命を支えてきた、総合磐城共立病院の診療科が減り続けている。そうしたなか、いわき市医師会が中心になって在宅医療の受け皿づくりとしての「いわき在宅Dr.ネット」づくりの準備が進められている。医師会在宅医療担当理事の木村守和さんに話を聞いた。
モデルになったのは長崎のケース。病院の在院日数短縮などによって在宅療養に移行する患者が増えているなか、退院の窓口・受け皿として病院と診療所が有機的に結びつき、連携システムをつくるのが目的。内訳は@在宅医(訪問診療に関わり、24時間365日対応・退院前病院訪問が条件)A協力医(専門性を持ち、連携医から医療相談を受け、必要に応じて往診を行う)B病院医師(病院勤務医で、在宅への移行、必要時の入院への対応、専門的助言を行う)で、1人の患者を地区・診療科目などで手厚くフォローする在宅療養システムをつくっていく。
すでに在宅医、協力医、病院医師とも10人から20人の幅で協力の意思を示していて、今後も機会あるごとに登録を呼びかけ、数を増やしていきたいと思っている。いわきは広いので、各地区に何人かの在宅医がいれば、患者も医者を選べるし、病診連携、診診連携もより密になっていくと思う。
開業医は、もともとは勤務医だったので病院の現状、勤務医の大変さが手に取るようにわかる。問題の根本が医療制度だとしても、開業医や患者の意識で病院の負担を軽くすることはできると思う。でないと、出口が見えないなかで勤務医が摩耗し、どんどん医者が減り、診療科がなくなる悪循環が続くことになる。
シンポジウムで、時間外に診てもらって「医者だから診るのが当然」という態度を取る患者がいること、「専門外だから診てもらうのはいや」と診療を拒否する患者がいることが報告されていたが、医者も人間だから気持ちの部分も大きいと思う。
開業医も自分の患者はできる限り時間外でも診ることができるようにし、病院の管理者も現状打破のための具体的な動きを示すべきだろう。「ああこれならもう少し頑張ってみよう」と思えるような、病院の勤務医を支えていくことができる大きな動きがないと、厳しいのではないか。
問題山積のために、まるで「姥捨て山」のような後期高齢者(長寿高齢者)医療制度が4月からスタートした。600点・6000円が限度なので、安心して医者にもかかれない。
しかもメディアはその問題点について、前もって報道しない。そうした現状のなかで地域がどうやって高齢者を支えていくか、それをみんなで考えていかなければならないと思う。 |