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“ゴロゴロ、ゴロゴロ…”
夏の森には、しょっちゅうカミナリが遊びに来ます。アーちゃんはこのカミナリが大キライ!
“ピカッ! ゴロゴロ”
お父さんの大きな背中にしがみついて、恐くて動けません。
雨も降り出して来たので、お父さんはアーちゃんをおぶったまま、急いでかわかしておいた作品をとりこみ始めました。
「あれ? このにおい…」
夏のお日様でカラカラに乾いた地面は、雨が落ちて土ぼこりが舞い上がっています。
「このほこりのにおい? なんだかこの感じは前にもあったような…」
お父さんの広い背中と、このにおい。
夏の夕方はこの感じ…。
アーちゃんがもっと小さかった時から変わらない、いつもの夏。おんぶしてもらって涼しい森の中を散歩した夏。お昼寝から目がさめると、山もりにゆであがっていたトウモロコシのにおい。カナカナ、カナカナ、ひぐらしの声。夕立のあとのきれいな虹。そして土ぼこりのにおい。いつもの夏のにおい。
ことしの夏は暑くなかったけれど、いつものようにこの森にも夏は来ていました。
アーちゃんはいつの間にか、この小さなカラダぜんぶでそれを感じていたのです。
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