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 6期24年町長を務めて、昨年の4月にやっと身を引くことができました。いまは平和に暮らしています。でも町長を辞めて暇になるかと思ったら訪ねてくる人が多くてね。それだけじゃなくて、あっちこっちから「うちの方に来て話してくださいよ」と頼まれて日本全国を飛び回ってる。同志がいるところへ行くんです。かえって忙しくなった感じですねぇ。
 正直、町長時代の24年間は辛かった。使命感が重圧になっていやでしたね。町長をやってよかった、と思った日は1日もありませんでした。眠れない日があるんですよ。起き上がってベッドの上でじっと考えてるんです。「こんな辛いことはいやだな」って何回思ったかしれません。

 矢祭にはたくさんの花が咲きました。これは私が咲かせたものではなくてみんなが咲かせたものなんです。でもね、去年咲いたから今年も咲くかと言ったらそうではない。咲かないこともあるんです。後継者の古張町長には、そう言っています。古張町長は真面目でおとなしい男ですから。私と違って。よく相談に来るんです。でも「根本の傀儡って言われるから来るな」ってもね。
 そもそもお金がないんですから、それなりにやらなければならないんです。「合併しない宣言」のときも国が言いました。「金がないんだ。だから合併して」。いいですか。公共施設はみんなよくなり、病院もできました。この何十年かの間に金をかけ、ずいぶんと暮らしやすくなったんです。そうしたら1200兆円もの借金ができちゃった。親がガリガリに痩せているのに「もっとくれ」「負けないうちに取ってしまえ」ってやってる。裕福になるとわがままを言うようになるんですねぇ。
 矢祭は国や県に反旗を翻したわけじゃないんです。私たちの立場を説明し、自分たちなりにやっていきます、と表明しただけなんです。「金がないならないなりにちゃんとやりますよ」ってね。
 5期20年町長をやったときに、全国に26人同じ立場の人がいたんです。それが根本だけには勲章をくれねぇ、っていうんです。総務省がです。しかも問い合わせはここへ、って2人の名前が書いてある。いいですか。金をもらわず人々のためにやったことなら喜んで表彰を受けます。でも月給もらって勲章ですか。相手を見て言え、っていう感じです。
 矢祭は以前、県内90市町村のうち、ほとんどが80番より下でした。それがいまは10番より下がっているものはありません。健康保険料、水道料金、保育料…。町民は公共料金は安い方がいいんです。「町長、この保育料で子どもを育てられると思いますか」。「わかった値下げしよう」という感じです。
 その一方で職員の数を減らし、特別職の報酬を下げ、議員の定数を削減し、日当制を実現しました。職員を半分にしたら「ハードワークになりませんか」と言われました。いままでが多すぎたんです。フレックス制を導入して、超勤はゼロ。にもかかわらず住民サービスは3倍に向上しました。

 日当制のことをズバリ言いましょう。基本的な考え方は、議会や委員会など目に見える活動については報酬を支給し、日常活動など目に見えないものは「町のため、町民のために働きます」という言葉の延長上、つまりボランティアでやってもらうということです。矢祭では以前から二重取りとも言える政務調査費や費用弁償(交通費)は支給していません。日当制に関してある学者が言いました。「議員は常勤でも非常勤でもない。堂々と報酬をもらうべきだ。日当は日雇いと同じでよろしくない」。はっきり言って御用学者です。税金で食っているものが税金を支払っている日雇いの方々に対して、どういう物言いですか。日本国中、税金で食っているのは官僚と議員だけなんです。
 県会議員の給料いくらだと思いますか。非常勤だというのに90万円以上です。さらに政務調査費が29万円。ある議員に言いました。「何に使ってる」「秘書の給料だ」「秘書? 見たことねぇな」「かあちゃんだ」。特別職や議員の報酬は審議会で自らが決めます。お手盛りです。この世の仕組み、一事が万事なんです。
 矢祭の日当制は、議員自らの発案で議決したものなんです。1日3万円支給しています。最大90万円。高いと思うかもしれませんが役場の課長だと4万円です。その8割として計算しました。これまでいろいろなことをやって来ましたが、そのたびに「嫌なら選挙で違う町長を選べ。いつでも戦う」と言ってきました。

 世阿弥は「風姿花伝」の中で言っています。「倅であっても不器量なものは後継にしない」。いま政治家の中に二世、三世議員がどれだけいると思いますか。4割になろうとしているんですよ。願いを叶えてくれる頼りになる国会議員も世襲だという現実、どう思いますか。アメリカでは大統領の倅が何をやろうと関心がありません。志のある頭のいい人が1番上に座ることになっているんです。日当制に秘められているものはそこにあります。
 合併しない宣言も住基ネットの不参加も議員の定数削減・日当制の導入も「みんな根本さんがやったんだろう」と言われるんですが、議会がやったことです。そう考えると矢祭の議会もボロじゃないですね。

 国民の怒りが我慢できない、いっぱいいっぱいのところまで来ています。それを少しでも改善しようと行動を起こすと法律違反だ、危険なものだと言われる。でも法律とは住んでいる人のためにあるものです。それが悪いなら、張り付けでも石攻めでもしてくれ、と言っている。自分の首を絞めることができるのは矢祭ぐらい。およばずながら、矢祭が火の手を上げることが重要なんだ、という信念を持ってやって来たんです。一寸の虫にも五分の魂があるんです。
(9月10日、Beeの会報告会で)



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