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第41号
「夜回り先生」
白詰草
DAY AFTER TOMORROW
レクイエム
 
 

 


 幼いころ、体の中にはたくさんの小人が住んでいると思っていた。たぶん雑誌「幼稚園」や「小学1年生」などに載っていた人体図のせいで、心臓や胃や腸などいたる所に働く小人が描かれていて、「きみたちが寝ている間も小人たちは働いています」という説明がされていた。
  小学校の理科室に置いてあった人骨模型は、自分にもこれと同じものがあると思うと不思議で、思わず顔や手をさわって確かめてみたりした。そのうちに血液やホルモン、神経などの働きを学び、ホメオスタシス(恒常性)という言葉も知った。体の中には生化学工場があって、微妙なバランスを保っている。「ミクロコスモス」。そう思った。

 呼吸をして、心臓が動いて、血液が全身を巡って。病気になると、普段、まったま無意識な“ミクロコスモス”を意識する。ご飯を食べて、歩いて、トイレに行って、ぐっすり眠って。そんな日常ごとに生きていることを実感し、うれしくなる。そして、結局、人は生まれた時と同じように裸のままでしかないことに気づく。

 病気になった時、どんな医療を望みますか。







きつね目の車
 この春、わが家の娘が車メーカーに就職して以来、車の話題が増えた。ガリ勉型の彼女は車など興味を持たずに育ったせいか、その知識が常識の範囲にも達せず、無知以外の何ものでもない。「ワイパーとバンパーを間違えた」という話を聴くに及んでは、ただ笑うしかなかった▼ほとんど全敗に近い状況の中で、やっと手にした入社切符。ちんぷんかんぷんの知識研修、肉体的にハードな工場での実地研修を終えて、やっと正規の職場に配置されたが、これが部品を買う購買部という部門。悩みは尽きないようだ▼先日、行きつけの自動車整備工場でこんな話を耳にした。「お客さんが車を探してくれ、っていうんで手配しようとした。そのときの条件が『キツネ目はいやだよ』。あぁ、確かに今の車のヘッドライトはキツネの目のようにつり上がってる、って思った。しかも、違うのを探してもなかなかなくてね」。社長が困り顔で言った▼デザインは、その車種のセンスであり、乗る側の感性と言える。それが、流行に乗って奇抜だがシンのない車が次々と発売されている。ここに来て、メーカーの個性というものが実に薄れている。ある車種が売れると、恥も外聞もなく、同じようなデザインの車の後追いが続く。車は安くない。もっとどしっとしたベーシックな個性を尊重してほしい。





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