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第41号
「夜回り先生」
白詰草
DAY AFTER TOMORROW
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イラスト 松本 令子
 

 繰り返しになるが、私は体が固いので、手先は器用ではない。特に、箸使いは苦手で、小さなものをつまもうとすると箸先が揃わず、麺類やぬめりのある食物には悪戦苦闘を強いられることになる。

 このような不器用な人間が人並みに仕事をしようとすると、良い道具や工具が必要不可欠になる。家内が以前に書いたが、我が家は皆自転車が大好きである。
 私は自転車に乗ることはもちろん、整備や改造はそれ以上に好きで、パーツを付け替え重さを測っては一喜一憂している。最近の自転車は、軽くするために材料や形に無駄 (ある意味では余裕)が少なくなっていて、ねじを締める力(トルク)をいい加減にすると、ねじ山がつぶれて取り返しのつかないことになる。そこで活躍するのが「トルクレンチ」というもの。ねじを締めて決まったトルクになると、カチンと首が曲がると同時に赤いボタンが飛び出す。たったそれだけで、ねじを緩めることはできない。
  自転車用の工具等には、できることの限られた「不器用」なものが多いが、極め付けはCampagnolo社の大きな薄い木箱に入った工具達であろう。何れも高価なものであるのに、できる作業は1つか2つ。しかし、ほとんど使わない機能が満載された工業製品があふれる中、その機能の少なさは清々しささえ感じられる。そして、関節が固い人間にも極めて使いやすくできている。
 このような道具のおかげで、人並みにいろいろなことができるようになったが、数が揃ってくると、今度は揃えることに興味が湧いてくる。そんな訳で、この頃は、不器用なもの同士の連帯感を感じながら、使う時間よりも、赤い工具箱に収めて磨いている時間の方が長くなっている。







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