3月8日の朝、チャトーコテージを訪ねると、ゆう子さんは作業服姿に長靴を履いて、プリティーガーデンで水まきをしていた。啓蟄が過ぎて、ガーデンはさらに春めいてきた。セリンセやアグロステンマ、ポピーなどの芽が立ち上がってきて、朝起きるのが楽しくなったという。早起きして、草むしりなども始めている。そのせいで少し体は痛いけれど、心地よい。
庭仕事をしていてショックも受ける。この冬はとても寒かったから、せっかく芽出ししたのにダメになっているものが多い。4、5年前から大切に育てていたクリスマスローズもダメ。当時、1万円ほどしたダブルのクリスマスローズで、「欲しいけど高い」と買うのを迷いに迷っていたら、娘さんが「これで買ったら」とお年玉
をくれた。そのお年玉で買ったクリスマスローズだった。
根が直接、寒風にさらされないように、植物の周りを掘って牛糞や馬糞など肥料になるものをばらまく方法がある。「そうすればよかったかな」。ゆう子さんはちょっと後悔する。それでも、ホワイトのクリスマスローズはいつもより遅いけれど、きれいに咲き始めた。
先日、ゆう子さんは友達と伊豆半島を旅した。2泊3日の旅で、河津の桜を見て、民家の吊るし雛を訪ね、「伊豆の踊子」の舞台を歩き、下田では水仙を眺めた。「桜はもうすぐ満開です」と観光協会の人に言われ、慌てて出かけた旅だった。春爛漫の伊豆半島を巡り、ゆう子さんの心はいまも春爛漫らしい。
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