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わたしの第九

 深まる秋を感じる11月中旬、アリオスの大リハーサル室で第九の合唱団の練習が始まった。練習場は希望や期待、緊張、不安など、さまざまな思いが充満し、大きな窓から見える風景は刻々と夕やみに包まれた。
 20年前、市制20周年記念の第九演奏会の時は、いわきを離れて学生生活を送っていた。だから今回は、できる限り合唱団と同じ空間で過ごし、姿を追い、合唱がつくられる過程から本番まで見つめようと思った。そして、その時々の様子は「歓びの歌ダイアリー」で伝えてきた。
 慣れないドイツ語、思うようにいかない発声。そのうちに自主参加の補講が始まり、休み時間も1人黙々と譜面を見つめる姿があり、通勤車でもCDを聴き、団員それぞれが第九と向き合った。頭でわかっても、なかなか思う声は出ない。それが、ある日の練習ですっーと響き、手応えを感じたという。
 練習場に身を浸しながら、合唱団が「わたしたちの歌」と実感する瞬間を待っていた。しかし練習が佳境に入るころ、体調を崩し、その練習の一番の山場を追うことも、演奏会本番を取材することもできなかった。
 本当なら124号では本番のドキュメント、それに合唱団のこの半年、そして小林研一郎さんやN響、ソリストたちのそれぞれの思いをつぶさに伝えたかった。それができず、歓びの歌ダイアリーも中途半端になってしまったことを、お詫びします。
 わたしの第九は実感として練習途中のままだったが、この半年、合唱団とともに走ってきたアリオスの足立優司さんから話を聞き、追体験した感がある。感極まりながら話してくれた足立さんの言葉などを10、11面に掲載し、第九取材にひとまずピリオドを打ちます。
 
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(大越 章子)




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