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ダーウィンのこと

 睡眠時無呼吸症候群、という病気がある。睡眠中に10秒以上の呼吸が止まってしまう病で、知らないうちに体にさまざまな障害が現れる。肥満の合併症というイメージを持っていたが、どうもそれだけではないらしい。日本人の有病率は欧米に劣らないという。
 食生活の変化で、女性や若者などにあごが小さく、細い人がいる。すると舌があごに収まりきらず、気道の方に落ちこみやすくなり、気道が狭くなって睡眠時無呼吸症候群になる。食べ物が変わると、あごの形も、それに伴って顔も変化する。長い目で見れば進化の課程なのだろう。
 そんなことも頭にあって、この間、東京に出かけたついでに、国立科学博物館の「ダーウィン展」を眺めた。ビーグル号での5年間を再現したフロアで、エンデの『モモ』のカシオペアを思わせるゾウガメに会っただけで感激したが、ダーウィンと進化論のことがよくわかる、いい展覧会だった。
 ビーグル号での航海を終えて間もなく、ダーウィンは種の変性、限られた資源で生物同士が争い、存在し続けるための努力を繰り返す自然選択、ということを確信し、それを告げた植物学者には「殺人を告白するようなもの」と話していたという。進化論は宗教界での激しい抵抗が予想され、『種の起源』を出版するまでに、植物学者への告白から20年ほどかかった。
 「生きてる化石」という表現も、ダーウィンが『種の起源』で初めて使った。生きてる化石、石、シーラカンスを特殊な樹脂加工した標本も会場に特別 展示され、アクアマリンふくしまが撮影したシーラカンスの映像も流されていた。
 ダーウィンは生前、人種を異なる生物種と考えるべきでない、と主張していた。ダーウィンの生涯を知りたい時は『生命の樹』がいい。よく作られた絵本で、ダーウィンの思いが感じられる。
 
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(大越 章子)




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