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映画「フラガール」のB面
「見てごらん」と、少し前に知人からDVDを手渡された。昭和46年4月にNHKで放送された番組「人間列島」を録画したもので、昨秋、アーカイブスで放送されたという。
タイトルは「みちのくのやしの葉陰で」。常磐炭砿磐城鉱業所の閉山をめぐる労働者たちの闘いと、常磐ハワイアンセンターの踊り子たちを追ったドキュメンタリーで、炭砿で80年続いた合い言葉「一山一家」がテーマになっている。
その年の初めに、会社は磐城鉱業所の閉山を労働組合に提案した。組合は浅貝球場で要求貫徹の総決起大会を開き、2月に再開された団体交渉は決裂。ストライキに突入したが、6日後には労使間で仮協定し、4月29日に閉山した。
一方、踊り子たちは1日4回のステージ、それに午前と午後のレッスン、寮に帰るのは夜9時過ぎという忙しい日々を送っていた。客席から変な言葉を浴びせられることもあったが、芸術を表現しているという自負があった。寮で踊り子たちに手を焼く、世話役の男性も前は労働組合の幹部だった。
一山一家の精神から踊り子になった娘たち。それに、親子何代かにわたって、一山一家に騙されていたのではないかと疑いを持ち始める労働者たち。画面は交互に何度も入れ替わる。どちらも同じ一山一家の炭砿で生きてきたが、一方は団結の鉢巻きをして厳しい表情をしている。
そのころ、労働者からは「金がないなら、ハワイアンセンターを売り飛ばせ」という声も上がった。ストライキ突入の前日にはハワイアンセンターでダイナマイト騒ぎが起こり、一時、騒然となった。
その瞬間の肉声、表情、風景をありのまま、その時だけでなく、未来にも伝える力がドキュメンタリーにはある。35年以上を経ても、その伝達力は薄れていない。映画「フラガール」のB面を見ている気がした。 |
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