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今年の元旦の日記です。三日坊主の三日前!?今年はカンボジアで新年を迎えました。
2004/01/01
朝7時タプローム遺跡へ向かう。30分ほどで西門に到着する。ゲートは上の石が、いまにも崩れ落ちそうなほど危険な状態である。しばらく森の中の道を行くと、石畳の参道がある。この参道は大地が揺れたが如くうねっている。その先に見える寺院も垂直水平が歪んでいる。まるで震度7の地震のあとのような景色である。
シェムリアップの地域はその昔、隣国タイに何度も侵略を受けている。アンコールワットもタイが支配していた時代もある。ジャジャマハール8世が再びタイから取り戻したとき地名をシャムリアップ(シャム=タイ、リアップ=チャラになる)に改名した。しかしこの寺院はそんな人災による崩壊ではない。かといって地震による一瞬の天災でもない。ではいったいなにか?その犯人は現在もこの寺院に住み続けている。
私の目の前にその住人が姿を現した!石垣の壁を鷲掴みにしている、その手は空に向かって伸びており、その先には緑の葉が覆い茂っている!そうです、その姿の正体は樹木なんです。タップロームのあちらこちらに木の根が石造りの建物に絡み込んでいる。石と石の隙間に木の根が入り込み、長い年月をかけて、万力のように少しずつ石と石の接着面
をこじ開けて行く。その結果木々は石から大量のボンドがムギュとはみ出てきたような状態になっている。石を木が押し動かす!500年、700年という時間をかけて地道にがまん強くつき進んだのである。
ジャジャマハール8世はこの寺院に観音様を奉り、生命の神秘を説いた。権力は後に崩壊しこの寺院は忘れ去られ、誰の心を動かすこともなく、森につつまれ、暗闇に飲まれていった。しかしその歴史上空白の時間がとんでもない造形を自然は創作してしまった!今、私の前にあるその物は、人工物でもなく自然物でもない融合した境界線がぼやけている。あちらとこちらの融合している最中の姿、堅い殻を押し破って孵化しようとしている姿、重量
という瞬きが時間という重さに押されている姿である。その結果
、皮肉にもこの寺院が伝えようとしていた生命の力を今の私たちに見せてくれている。
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