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野田秀樹の「赤鬼」という芝居がある。初演は10年ほど前に渋谷で行った。私は美術・衣装を担当した。それまでの野田ワールドとは一風趣きが異なり、複数のテーマが絡み合うのではなく、シンプルなストーリーで言葉が充満するのではなく、半分は赤鬼が喋る意味のない呻き声という舞台である。
この実験が案外と、いけてまして!「じゃあタイの役者で上演してみよう!」(内容は言葉の通
じない者同士のお話)とアジアに飛び出して行きました。これがまたまた案外うけまして!「それではロンドンで!」とヨーロッパへ進出いたしました。
てな具合で、世界のあちらこちらで言葉をかえてやってまいりました。「いいねー面
白いね!いろいろ場所が変わると、と言うのですが、その違いを知っているのはスタッフ関係者だけでありまして、3つとも見た観客はまったくいないのであります。
「そうだね、それは残念だね、ほんと3本一度に見たいね!」という声があがりまして。ではでは…ということで、この秋に「日本・タイ・ロンドン!3本一挙公演!」ということを渋谷コクーンでやることになりました。
8月31日にロンドン版初日(ちなみに私の46回目の誕生日)、9月中旬にタイ版の初日、そして10月2日が日本版の初日と、赤鬼の嵐が次から次から押し寄せてくるこの秋の台風シーズンであります。ここで大変になってくるのが稽古のやりくりであります。台所事情をお話しいたしますと、ロンドンの本番をやっている昼間にタイの稽古をして、タイの本番をやっている昼間に日本の稽古をするという、3本絡み合いの進行になってまいります。予定を組んでいるだけで混乱しそうなぐらいの超過密スケジュールということです。ちなみに野田秀樹は3本すべてに出演するというスーパーマン振りを発揮する予定です。
ただ今前売り発売中であります。是非是非3つ連続でみなさんごらん下さい!
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