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昨年岐阜県立美術館で制作した「DNA RIVER」が今は金沢21世紀美術館で展示されている。ここで驚いたのは、場所が異なるとこれほど印象が異なるのかという事実である。岐阜で作った時には、長さ60メートルある長いエントランスの場所を生かして、床一面にダンボールを敷き詰めて、3か月かけて来場者たちが、2センチ四方の紙片を一枚一枚丹念に貼っていき川の流れを再現するワークショップを行った。360平方メートルほどの面積は最終日には大河になっていた。それは見事な出来栄えであった。川の上には橋が3つ架っていて、岐阜の人間がみれば誰もが岐阜市を流れる長良川だとわかる情景が美術館の中に出現した。
一方金沢では、この作品を長期インスタレーションルームの壁と床に展開した。すると部屋中が水の流れで満たされた状態の風景が出現した(写真)。水平な面にあるべき水が、壁の垂直面に立ち上がり、四方をぐるりと渦巻いているようにみえる。もしくは天井の高さまで水があり、最近の大型水族館の特大水槽のように、水の中に入ってきてしまったのかと思ってしまう迫力がある。
このようなそれぞれの場所の特性を生かして展示できるのは作品のモチーフがというか要素が水だからである。水は形を変えた器にでも柔軟にその姿を変えることができる。こんなあたりまえのことなのだけど、2つの場所で展示をしてみて初めて気づいたことであり、今までの作品でこのようなことはありえなかった。なによりも岐阜のみんなのひとつひとつの貼って行く行為の熱意があるからこそ、場所を選ばずその迫力が伝わっていっているのだと思う。次はどこに行くのだろうか?楽しみである。
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