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イラスト 若松 光一郎  
 櫛田 幸太郎

 新年を迎え「日々の新聞」は116号となった。紙上に取り上げられた日々の暮らしの多岐にわたる身近な事象や風物、そして人物が思い浮かぶ。昨年の特集記事では「星一と星新一」とそれにつづく番外編の「星一を巡る旅」の印象が強烈であった。いわき生まれの星一の生涯とその生き様が活写 された特集に、改めて魂が揺さぶられる思いがしたからである。そして久しぶりに錦町の星一の胸像と碑に足を運んだりもした。
 この特集が触媒になったのであろうか、その後間もなくテレビ番組「ふくしまの素顔」に取り上げられて星一の人となりと業績が貴重な映像とともに放映された。
 星一と面識のある人も年々歳々少なくなり、知る人ぞ知るとなりつつある。去る者日々に疎し、いかに傑出した人物でも特異な事象でも、年月に埋もれ消えていくことは仕方ないとしても、時に応じて蘇らせたいものである。
 地域格差が深刻に問題視されていてご多聞にもれず、わがいわきもいささか意気消沈気味の昨今、その感をいっそう強くしているところである。
 昨年最終号は「人形たちのクリスマス」に始まり、華やかで楽しく年末を飾るにふさわしかった。しかし苦労性の当方はカラフルな印刷の制作費に思いを致しながら新聞発行の労苦をしのび、読者層のいっそうの拡大を願わずにいられない気持となった。

(元高校校長)

 


 116号は「20年前の第九」大特集号となりました。「まったく、日々の新聞は、こうと思ったらこうなんだから」という読者のみなさんのぼやきや怒りの声が聞こえてきそうです。

 市民による市民のための市制20周年記念演奏会。取材をすればするほどさまざまなことが出て来ました。「手づくり」という言葉がふさわしい演奏会でした。いまやろうとして、はたしてできるのか。20年前と何が違うのか、そんなことを思いながらさまざまな人たちに話を聞きました。「だれでもこの指止まれ、みんなで感動しよう」という基本コンセプト。それを守るために安易な方法をとらず、みんなで努力する。それだけに成し遂げた感動が大きかったのでしょう。それはベートーヴェンの第九初演の精神と同じでした。
 20年という歳月は近くて遠いのですね。

(編集人 安竜昌弘)



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