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画・松本 令子  
 高橋 智裕

 「豊間中学校のピアノ」。多くの人々の想いが、このピアノには込められていることに気づかされた。
 平成11年に寄贈した四家さん、豊間中学校の卒業生、在校生、薄磯・豊間地区に住んでいた人々、そして、このピアノを引き取り修理し、後世まで東日本大震災を伝え続けようとするピアノショップいわきの遠藤さん。それらの想いが、TBS「報道の日」そして、NHK紅白歌合戦という、日本国民の多くが注目する番組のスタッフの目に留まり、使われた。
 12月23日、遠藤さんご家族が、このピアノを引き取ってから約4カ月、ようやく音を出した。25日に、TBSの番組で使用されることになっていたため、まさに“突貫”の作業だった。「あくまでも完成は3月11日」と、いう遠藤さんだが、公の場に出すのだからと、妥協を許すことはなかった。気の遠くなるような、地味でいて細かい作業。
 中学校のステージのそでに、“砂まみれ傷だらけ”で転がっていた時からそのピアノと、遠藤さんの作業を見続けていた私は、遠藤さんの2人の娘さんが試演奏をする音を聞いて、熱いものが込み上げ、思わず涙した。
 東日本大震災は思い出の詰まった場所を一変させ、しかも多くの同郷の命を奪った。それに追い打ちを掛けるように、放射能という見えない危険と共存しなくてはならない日常を送らなければならなくなった。
 その中で、このピアノがいわき復興の灯台となり、いわき復活の道を照らしてくれる存在となってくれることを願っている。
(フォトジャーナリスト)



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