omb449号

 紙面を読んで From Ombudsman449 

 

画・松本 令子

 

 広重 省一

 まず今回の衆議院選挙について記そう。福島5区は(私の住む宮城4区も)、自民と野党統一候補(共産)の対決で野党全敗。野党共闘の失敗? そもそも勝てる見込みがない戦いなど、いろいろ反省材料はあるが、結果として保守王国の堅持という形になった。
 いわきと双葉郡の住民は環境・福祉問題より震災復興という名の「経済政策」を選択したわけである。これにより国政・市政ともに中央と直結した企業誘致やいわゆるハコモノ行政が継続し、汚染水対策を含む漁業を中心とした地場産業の復興にブレーキがかかるだろう。
 そんな中で震災直後から小名浜で地域再生・文化創造活動を精力的に行っている小松理虔さんに注目している。小松さんはいわきの中央に対するバックヤード性や下請け気質からの脱却と外部の目線も入れながら、自立に向けた地場産業の再生と地域文化(潮目の文化)の復権を目指している。これが復興後の「街づくり」なのだと思う。機会があれば小名浜で開催している「うみラボ(海洋調査)」や「調べラボ(いわき産魚の試食)」などに参加し、お話を伺いたいと思う。
 最後に448号でも報告されているが、飯館村の長谷川健一さんが急逝された。被災者と飯館村の自立と、〝までい〟の再生のために闘ってこられた。その道半ばにして倒れられたことは、誠に残念でならない。私が関わっているNPO「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」の支援活動でも、講演や毎年開催していた福島ツアーで飯館村を訪問の折アテンドして頂くなど、多々ご協力頂き感謝している。ご冥福をお祈りする。

(宮城県在住)

 

そのほかの過去の記事はこちらで見られます。