219:オンライン対談

気がついたら日が暮れていました

オンライン対談

 オンラインで行う会議などに慣れてきたせいなのか、シンポジウムや対談もわざわざ同じ場所で対面で会わなくても普通に話せるようになってきているのは、世界中の傾向だと思う。対談の場所が物理的な空間の会場だと、それを聞くにはその会場に行ってライブでないと聞くことはできないけれど、オンラインならば出向かなくてもよくなり、モニターに映像が流れているのが生放送かどうは、あまり気にならない。そんなことよりも、互いのスケジュールが大変合わせやすくなった。
 そんなこともあり、5月の連休明けの2日間に6組の対談を一気に行った。そのうちの1日を紹介しましょう。
 まずはアフリカのウガンダで建築の仕事をしているKさんの話。土でできた礼拝堂、予定通り行かなくてもみんなが笑っている話。1つの図面(棚)を日本とウガンダの建築の学生が共有して、互いの土地にある材料で製作して、それを地域の人に使ってもらうと、徐々にカスタマイズされていき、地域性がおのずと生まれてくる話。建築の技術進化の段階の途中を一気に抜かして、いきなり3Dプリンターの手法で建築をしている話、などなどした後に、近年ショートムービーの映画祭が世界中で流行っている話。
 関西のある街で初めて「国際映画祭」を公募したら3000点を超える作品が集まった。その原因はフィルム、フリーウェイというネット上の登録システムがあり、作家も主催者もここに参加するとエントリーできる仕組みになっている(詳しくは省略)。気楽に映像が作れる時代だから、世界中で表現者が爆発的に増えていて、みな発表の場を求めているという話。
 現実を神話化すると昔話になる、今日の話も神話化できれば未来の昔話になるという話。そして移民の話。日本には移民という法的な言葉がなくて、在留外国人という言い方になる。文化は違いがあることを受け入れることに関しては、相性がいいという話。違いを拒絶する意識は無くならないだろうという話。だから文化を発信し続けるという話。
 多種多様な話を、いろいろなところにいる人たちとすることができました。これもオンラインのおかげなのでしょうね。気がつくと日が暮れてました。パソコンの明かりはいつも同じ。

(アーティスト)