紙面を読んで From Ombudsman | 509号 |
小野 順一
日々の新聞第499号「バスが走らない地域が増えていく」で、当市の厳しい公共交通事情が報告されていました。
いわき商工会議所では、このような現状を踏まえ、令和5年に「公共交通研究会」を立ち上げ、誰もが気兼ねなく利用できる公共交通の仕組み作りを検討しています。
令和6年3月には、小名浜・常磐の保健福祉センターに協力してもらい移動ニーズを把握するためのヒアリング調査を行いました。ヒアリングでは、地域における高齢者の声として「ドアツードアで行けるタクシー利用が多い」、「バス停まで行くのが困難」、「バスの乗り方がわからない」等の意見が出された一方で、解決のヒントになるような意見も聞くことができました。例えば、「グリーンスローモビリティ(時速20㎞未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス)の実証では、高齢者の利用増加に加え、おしゃれをするなど服装にも変化が起きた」、「高齢者に寄り添うサービスを提供しているタクシーの利用が増加している」、「福祉施設の車両を活用した無料の買い物送迎が始まっている」などです。
このなかで、「グリーンスローモビリティ」の活用は、小名浜や平地区で実証が積み重ねられており効果的な選択肢の一つになる可能性があります。また、既存の路線バスと「オンデマンドバス」(必要な時間に予約制で乗れる車両)を組み合わせることで、タクシーのようなドアツードアに近いサービスを実現することができるかもしれません。
今後、これらの意見を参考に、よりよい地域公共交通のあり方を検討していきたいと思います。
(いわき商工会議所地域振興グループ)
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