495号

自然エネルギーのホントのこと 495号

 9月まで「紙面を読んで」を書いてくれた鹿児島で絵ほん・cafeアルモアを開いている吉田美佐子さんから、山田征さんの著書『ご存知ですか、自然エネルギーのホントのこと』をいただいた。
 山田さんは一九三八年生まれで、東京・武蔵野市在住。子育てを機に農業とかかわりながら農産物を共同購入するグループを主宰し、仲間とレストラン「みたか・たべもの村」をつくった。同時に反原発運動や石垣島の新空港問題などさまざまな活動をしている。
 著書も多く、ほとんどは自費出版。『ご存知ですか、自然エネルギーのホントのこと』もそうで、奥付の発行には「ヤドカリハウス 山田征」と記されている。六年前に発行された本だが、すでに六刷りされている。
 その自然エネルギーについて書かれた山田さんの本では、福島第一原発の事故以降、あちこちに増えた太陽光発電と風力発電についてふれられている。例えば、ソーラーパネルがどんな物質で作られているか。普通のパネルは太陽光線が強ければ強いほど発電量が多いわけではなく、気温が上がるとパネル自体が熱源状態になって上昇気流を発生させてしまうこと。ソーラーパネルを屋根にのせている家の火災は通常の火災と比べて桁違いに危険で、使用後のパネル処理はまだ研究中という。
 風力発電の風車は風では動かず、外部電源がないと始動や羽の向きを変えるなどの操作ができない。風車の羽は短いものでも30mあり、回り始めると背後に渦巻き状の乱気流がたなびき、鳥たちは羽が少しでもふれてしまうと渦から逃げ出せず落下してしまう。巨大な支柱は数百トンあり、それを建てるには40m四方、深さは10~20mの穴を掘る…。
 ほかにも自然エネルギーの背後にあることが綴られていて、太陽光発電や風力発電がイメージ先行で進められている気がしてならない。

(章)

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