第412号

 特集 新型コロナウイルス

一歩間違えば医療崩壊になりかねない

 新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が4月16日、全都道府県に広げられました。いわき市内では、常磐鹿島工業団地にあるエーピーアイコーポレーション(本社・東京)のいわき工場でクラスターが起きました。いわきで3例目の男性感染者の勤め先で、市内の感染者は12名になりました。いわき市の様子をさまざまな角度から伝えます。

いわき保健所長 新家利一さんのはなし

 いわき市はまだ医療崩壊になっていませんが、一歩間違えればそうなりかねないと考えておかなければならなりません。人との接触を避け、受診エチケットを守ることが自分を守ることになるのだと、その重要性を説いています。



市消防本部のはなし

 東京では、新型コロナの疑いがある患者を乗せた救急車が医療機関で受入れを断られるという問題が起きています。いわき市で救急要請があった場合はどうなっているのか、消防本部で聞きました。



「酒のいしかわ」 石川 修さんのはなし

 「酒のいしかわ」では家業であった酒屋から健康食品を扱う店へと業種を転換しています。なにが転換を決意させたのか、「おいしい“酒”は健康から」をテーマに独自商品の開発などに取り組む石川社長に話を聞きました。

マルトグループのはなし

 緊急事態宣言が発令されても、食品を扱うスーパーの売り上げが伸びているといいます。スーパーの現状と新型コロナ対策について、いわきに本社をおくマルトグループの安島誠専務に電話で取材しました。

 

 記事

トリチウム汚染水再考2

 第2回「関係者の御意見を伺う場」が、13日福島市で開かれ、12人が意見を表明しました。そのほとんどが「水蒸気、海洋放出の二者択一」に懐疑的で、風評被害増幅の懸念と放射性物質に対する情報の必要性を訴え、国の責任ある対応を求めました。
 3人の意見を紹介します。いてふれています。



福島県農業協同組合中央会会長 菅野 孝志さん

 二者択一案は遺憾で、反対したい、と言います。農業者が最も懸念するのは安全性の担保と新たな風評被害を生まないための発生防止対策であり、そのために放射能に関する正しい知識・認識を伝えてほしいと訴えていました。

ヨークベニマル社長 真船 幸夫さん

 福島県を拠点に231店舗のスーパーマーケットを営んでいるヨークベニマルの責任者として、放出水については徹底した風評防止のプログラムを準備してほしいと要望しました。放射能は目に見えないものだけに、いくら安全といっても水産物を買う客に伝わなければ風評が起こると危惧しています。わきの小さな旅です。

いわき市長 清水 敏男さん

 処理水の取り扱いは今後30年ほど影響の出かねない問題です。拙速に結論は出さず、あらゆる可能性を検討し、広く関係者、市民などに理解を得ることが重要だといいます。30、40年かかるといわれる廃炉作業には国と地元住民の信頼関係が不可欠で、信頼を裏切ることのないようにと述べました。

双葉地方町村会

 双葉地方町村会の8人の町村長がそれぞれ、汚染水の処理について意見を述べました。放出水の安全性についてのわかりやすい説明、風評被害の対策を求める声がほとんどで、賛否を明確にする町村長はだれもいませんでした。うち4人の意見を紹介します。  

  

 連載

戸惑いと嘘(46) 内山田 康
再びムナナへ(4)


いわきの地域新聞と新聞人(12) 小野 浩
片倉製糸場の光と影


阿武隈山地の万葉植物 湯澤 陽一
(9)コケ


ぼくの天文台2(53) 粥塚 伯正
三カ月たった、
 

 コラム

ストリートオルガン(151) 大越 章子
かあちゃん展