第434号

 特集 あれから10年 双葉郡をあるく

「あれから10年」、今回は「双葉郡を歩く」。原発事故に翻弄された希望の牧場と双葉高校を取材した。

希望の牧場・ふくしま代表 吉沢 正巳さんのはなし

 浪江町立野春卯野の「希望の牧場」を訪ね、代表の吉沢正巳さんにこの10年のはなしを聞いた。原発事故後、国が牛の殺処分を指示するなかで、吉沢さんはレスキューでよその農家から引き受けた100頭、自然繁殖で生まれた子牛を含め、合わせて500頭の牛の世話をした。現在は230頭、半分は死んでしまっている。被曝した牛たちを育てることに、どんな意味があるのか。吉沢さんの思いや考えを聞いた。

元双葉高校野球部監督 田中 巨人さんのはなし

 2011年3月11午後2時46分、双葉高校野球部はグラウンドで打撃練習をしていた。そのときの監督が田中さん。原発事故による避難でバラバラになってしまった部員と週末に集まり、夏に向けた練習をした。甲子園に3回出場している双葉の最後の夏とその後について話を聞いた。

 記事

詩人 吉増 剛造 講演会
北緯37度07分44秒 東経140度49分59秒から

 コロナ禍で1年遅れとなった講演会。吉増さんは鎌倉時代の禅僧・道元の言葉「而今」を例に出し、たった今、現在を大事にして生きることの必要性を話した。聞き手は佐藤洋子さん。


日々の本棚

『夷俘の叛逆』
若松丈太郎著
(コールサック社)1500円+税

 連載

阿武隈山地の万葉植物 湯澤 陽一
(31)シキミ


ひとりぼっちのあいつ(12) 新妻 和之
授業改善、見果てぬ夢


ぼくの天文台 粥塚伯正余話(7)
吉増剛造さんへの思い

 コラム

月刊Chronicle 安竜 昌弘
『秋吉久美子調書』
伝説が事実に しなやかに その人生を語る