第435号

 特集 あれから10年 みらいに伝える

 東日本大震災と原発事故から10年。さまざまな施設がオープンし、催しが開かれた。震災や原発事故から何を切り取り、伝えるのか。それはとても難しい。さまざまな施設を訪ね、その関係者などに話を聞いた。未来に何を伝えますか。

東日本大震災・原子力災害伝承館学芸員 瀬戸 真之さんのはなし

 瀬戸さんは「東日本大震災・原子力災害伝承館」に二人いる学芸員のうちの一人。2017年から資料収集に関わっている。伝承館については「なまぬるい」などの感想も寄せられるなかで、「どんどんリニュールアルをして、何回でも来てもらえるような施設にしたい」と話す。

いわき震災伝承みらい館のこと

 市が薄磯地区につくった「みらい館」の展示は、時系列で事実を偏らずに伝えることがポリシー。語り部の話を聞くスケジュールを組み、特別展示として豊間中で被災した「奇跡のピアノ」が置かれている。

福島県立博物館学芸員 筑波 匡介さんのはなし

 企画展「震災遺産を考える――次の10年へつなぐために」が3月中旬まで、福島県立博物館で開かれた。担当した学芸員の筑波匡介さんに、震災遺産や震災の伝え方などについて聞いた。

原子力災害考証館 furusatoのこと

 いわき市常磐湯本町で旅館「古滝屋」を営む里見喜生さんは3月中旬、旅館の1室に「原子力災害考証館 furusato」を開設した。原発事故が地域にもたらした、さまざまな視点で伝える手づくり展示室で、考えるきっかけにしてほしいという。

伝言館と非核の火のこと

 楢葉町の宝鏡寺境内にできた「伝言館」は原子力災害を知らせるための施設。さらに東京・上野の東照宮で30年にわたって灯されていた広島由来の「原爆の火」が移され、「非核の火」として境内で燃えている。

 

いわきピアノプラザ代表 遠藤 洋さんのはなし

「奇跡のピアノ」と呼ばれている、震災で津波に遭った豊間中学校のグランドピアノ。再起不能と思われたそのピアノを修理し、復活させた遠藤洋さんに、奇跡のピアノとのこの10年を聞いた。

「奇跡のピアノ」の歌のこと
 球磨村の渡小学校ピアノのこと

 記事

清水市長が公約を発表

 秋の市長選に向けて清水敏男市長が正式に出馬表明をし、「災害に強いまちをめざす」ための消職職員の増員や平支所の設置などを公約として発表した。


いわき市民訴訟の地裁判決について

 原告団長 伊東 達也さんのはなし

 東京電力の福島第一原発の事故をめぐり、避難時事区域外だったいわき市の住民が国と東電に約26億円7100万円の賠償を求めていた「いわき市民訴訟」の判決が3月26日、福島地裁いわき支部で行われた。原告団長の伊東達也さんに8年に及ぶ地裁での裁判と判決、今後などについて聞いた。

 連載

新連載
時空さんぽ 再び 〜磐城平城を訪ねて(1)
はじめに


阿武隈山地の万葉植物 湯澤 陽一
(32) ニワトコ


ひとりぼっちのあいつ(13) 新妻 和之
新しい血を求めて


DAY AFTER TOMORROW(218) 日比野 克彦
火と水のこと

 

 コラム

ストリートオルガン(160) 大越章子
豊間中のピアノの10年
あちこちに出かけて震災を伝える