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 今月中の提出をめざしている「市立病院改革プラン」の成案化をめぐって水面 下での綱引きが続いている。「あくまで常磐病院の民間委譲、3月中の総務省提出を貫きたい」という姿勢を崩そうとしない市と「3月提出にこだわらず、じっくり時間をかけて話し合うべき」と主張する医師会や市民団体。期限ぎりぎり、土壇場での攻防は議会筋を巻き込みながら着地点を見出す作業に入っているが、先は見えていない。10日の医師会、病院協議会の記者会見、市議会市民福祉常任委員会でのやりとりを中心に、改革プランをめぐる動きを追った。


 9日夜、内郷御厩町にある、いわき市医師会館では、市議会創世会(樫村弘会長)と医師会(木田光一会長)の幹部が話し合いを持っていた。持ちかけたのは創世会だった。10日には市議会市民福祉常任委員会が開かれる。そこでは病院改革プランに関する予算の審議と「常磐病院を市立病院として存続するとともに、時間をかけて話し合うべき」という市民団体や地元の区長会、患者団体などが出した2本の請願について話し合われることになっていた。
 創世会には「あまりに性急な改革プランがこのまま提出されるのは納得できない。なんとか立ち止まらせたい」という思いがあった。改革プランは議会の議決事項ではないので、立ち止まって内容修正を図るには、請願の継続審議と世論への喚起、さらに市執行部に対する圧力などが考えられた。そういう意味で医師会と病院協議会の存在は大きかった。
 医師会などは2月2日に、「プランの文言訂正を求めるとともに十分な審議をすべき」という文書を櫛田市長宛に提出し、2回にわたって直接プランの見直しを迫ったが、それに対する市側の正式な反応や回答はなかった。「このままラチが明かないときは記者会見をして直接自分たちの考えを訴えよう」という思いもあり、「さてどうしたものか」と様子をうかがっていたところに、創世会からのアプローチがあった。
 そして話し合いの結果、「市長と議長に声明文を手渡し、記者会見を開く。さらに常任委員会では2つの請願を継続審議に持ち込み、それらを力にして、とりあえず立ち止まらせ、修正を検討してもらう」という方向性が確認された。

 一連の動きを整理してみると、プランに異議を唱えている団体や個人で共通 しているのが「関係者を交えての十分な審議が必要だったのではないのか」ということ。そうしたなかで「常磐病院を市立のままで継続してほしい」と訴えているのは、地元住民、常磐病院を利用している患者、職員組合、社民党、共産党などだが、必ずしも足並みがそろっているわけではない。
 これに対して、医師会、病院協議会は「民間譲渡や廃院」に異議を唱えているわけではなく「民間譲渡をした場合、市外の医療法人だと地域医療の崩壊につながる」と一貫して訴えている。創世会も、プランの基本方針には理解を示しながらも作成のプロセスを疑問視し、存在感を示す意味もあって、請願を継続審議させるための多数派工作を行った、といえる。
 結局、請願の継続審議は常任委員会の席上、賛成多数で認められ、「立ち止まって考え直してみてください」という市民からのボールが市執行部に投げられた。あとは市側が、今回の動きをどう受け止め、どこに着地点を見出していくかになるのだが、「民間譲渡、3月中提出」の基本線は崩していない。
 市長、事務方、議会、医師会…。それぞれの立場が複雑に絡み合っているだけに、いまは先が見えない状態。今後、水面 下でどんな動きが出るか、目が離せない。



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