総合磐城共立病院の外来を利用して治療を行っている人工透析患者が四月から診てもらえなくなる。現在2人いる腎臓・膠原病を専門としている医師のうちの1人が開業し、後任が補充されないため。共立病院では「入院患者や救急については、これまで通
り行うので医師が見つかるまで協力を」と呼びかけているが、県腎臓病患者連絡協議会は「合併症を持つ患者が多いので総合病院でないと不安。早急に対策を講じて」と病院に要望した。
現在市内で人工透析治療が行えるのは、共立病院、常磐病院、竹林病院、かしま病院、福島労災病院、松尾病院の六病院と、いわき泌尿器科、泉中央クリニック、かもめクリニック、クリニックかしま、ゆうクリニック、ニュータウン腎・内科クリニックの六クリニック、計12施設。900人の透析患者がいて、その八割が糖尿病による合併症だと言われる。
共立病院には、約30人の入院透析患者と同じく30人の外来透析患者がいるが、医師1人だと入院患者の全身管理と救急対応で手一杯になってしまうため、やむなく外来制限に踏み切り、外来患者は他の病院・クリニックに転院を斡旋した。
いわき市腎臓病患者友の会の豊田正勝会長は「いまのところは需給バランスが取れているので医療機関不足はない。しかし共立病院で外来透析患者を診ないということになると…。これまでかかってきた人にとって勝手も違うだろうし、不安だと思う。腎臓だけではなく、他の病気が出たときの対処というのもある」と話す。
これまでいわきの医療の最後の砦として、市民の安心・安全を支えてきた共立病院。ここ数年、休診する診療科は増え、総合病院の役割を果
たせなくなっている。しかし、専門医を活用しての公立病院を舞台にしたグループ診療は、公立と民間の大きな壁の前に一歩も動いていない。
ネックになっているのは「医師でありながら公務員」としての存在で、行政のイニシアチブ、リスク覚悟の決断がない限り、問題は前に進まない。診療科の崩壊は待ったなしに進んでおり、「医師は探している。でも見つからない」ではすまない状況に追い込まれている。患者の声なき悲鳴を思うと「やる気がない」としか考えられない。
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