神経内科や皮膚科の常勤の医師がいないことや心臓血管外科の緊急手術ができないこと、産婦人科はハイリスクの妊婦などに限定していること、呼吸器も主に再診の患者に限り、人工透析は入院患者にしかできないことなど、医師不足の現状は変わっていない。
最近も産婦人科の医師が1人辞め、9月いっぱいで救命救急の医師も1人辞める。循環器科は以前、10人いた医師が5人しかいない。治療が時間との勝負の脳梗塞の治療は本来、神経内科の分野だが、いまは循環器科の医師が担い、緊急の皮膚科の患者は形成外科が診療している。
心臓血管外科医は1人増えて2人になったが、緊急手術は3人いないとできない。放射線治療は週に1回、東北大学から医師が来ている。MRIは画像診断の専任医師が1人のため、検査や診断に時間がかかる。
医師の3分の2は東北大出身。しかし東北大自体が医師は手薄という。一般に東京の医師は常磐線なら土浦までが勤務の許容範囲で、東北大、福島県立医科大の医師は新幹線が走らない地域は難しく、いわきなら白河を選ぶというのが実情だ。医師の確保はいわきだけでなく浜通り全域で難しい。
共立病院はその浜通りの医療の中核病院で、隣の福島労災病院をはじめほかの医療機関で手に負えない患者が回ってきている。大野病院の問題以降は、市内で産婦人科がある病院は共立病院だけということもあって、帝王切開の患者なども紹介されて来ている。常勤の麻酔科医がいるのも共立病院しかない。
共立病院の場合、研修医の定数は14人だが、ここ2年はそれぞれ5人ほどしかいない。常勤医師のいない診療科があってトータル的に学ぶことができないためで、医師不足、診療科の減、研修医の減、そして患者の減と悪循環になっている。
1年半前にいわきの市立病院の医療体制が変わり、公営企業法全部適用を導入して一市一病院二施設に移行した。その際、市は共立、常磐の両病院が抱えていた借金は一般会計から繰り入れてゼロにした。
平成19年度、市からは不採算部門などに両病院合わせて26億円(看護学院への約1億6千万円は除く)の繰り入れをしたが、決算は共立病院が約18億円、常磐病院が約5億円の赤字になっている。医師不足により患者が減ったこと、それに退職者の数が増えたことが主な原因で、これから共立病院は10年近く退職者は多い。
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