いわき市市立病院改革プランの骨子案によると、常磐病院は平成22年4月を目標に民間の医療法人の病院に移譲し、いわきの市立病院は共立病院だけになる。常磐病院が担っていたリハビリテーション医療と精神医療は、共立病院に移される。
いわきの市立病院は昨年4月、公営企業法全部適用を導入して、一市一病院二施設にした。その際、共立、常磐の両病院が抱えていた借金は一般会計から繰り入れてゼロにするとともに、不採算部門など両病院合わせて26億円(看護学院への約1億6千万円は除く)を繰り入れた。
しかし、昨年度の決算では共立病院が約18億円、常磐病院が約5億円の赤字になった。診療報酬のマイナス改訂、医師が減って休診や診療制限をしている診療科もあって患者数、入院患者数は減り、収益は増えない。一方、団塊の世代の退職者が増え、退職金の支払いが増えた。これから10年近く退職者は多い。
改革プランづくりは病院経営が厳しく、医師の確保も難しくなっているなかで、総務省の公立病院改革ガイドラインに基づき進められている。開会中の市議会12月定例会で論議し、年明けには市民からの意見を求め、修正した最終のプランを2月定例会に提出するという。
プランづくりに伴い、市は9月に総務省の経営アドバイザーに共立病院と常磐病院の財政見直しのアドバイスを依頼した。2人のアドバイザーは「共立病院は大きなライバルの病院もなく、非常にしっかりしなくてはいけない立場の病院であるにもかかわらず、財政的には危機的な状況で、このままいくと本年度中には確実に現金が底をつく」と指摘している。
診療報酬は2年ごとに変わり、病院経営には迅速さが求められているのだが、これまでの経営は後手後手に回っている。スピーディーな判断をするために長く経営に携わる体制をつくらなければならず、病院事業管理者が権限をフル活用してどう病院を立て直すかは、そのリーダーシップに負うところが大きいという。
また、共立病院と常磐病院との統合(一病院にすること)は過去にも議論されていて、時間をかけてやるものではなく、早く答えを出して進むべき、とアドバイスされた。市立病院改革プランがまとまった後、市では二次救急を続けることを前提に、常磐病院を移譲する民間の医療法人を募集する。
全国の公立病院のなかには黒字経営の病院も2割ほどある。しかし、共立病院は救命救急センターや高次医療など、地域に必要だけれどほかの病院では担えない診療分野を持ち、黒字経営にするのは難しい。
まず、医師をはじめ看護師など医療職の話をよく聞き、共立病院が目指す医療を明確にすることだろう。改革・改善のアイディアは現場にあるのに反映されていない。そして、経営努力を前提にどのぐらいの額までなら、一般
会計からの繰り入れが可能なのかという検討も必要だ。
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