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 いわき市立病院改革プラン(案)のポイントは、本院(共立病院)と分院(常磐病院)を統合し、長期的目標として新病院の整備をうたっていること。これで以前から方針として掲げていた「一市一病院一施設」の具現化がなされることになる。それに伴い、常磐病院は民間に譲渡される。
 プランの根底にあったのは「構造的な赤字体質で瀕死の重体に陥っている市立病院事業を守る」ということだった。そのために2つの施設を統合・集約し、経営的には1つの施設を切り離す。それによって態勢を建て直し、黒字体質に転換して新病院の建設に道筋を立てる、とプランでは説明している。でも、本当にその筋書き通 りに行くのだろうか。  さらに1番の問題は、総務省からのオーダーという「やらざるを得ない理由」でお尻に火がつき、国の力に急かされるようにプラン案をまとめたということだろう。そこに市民の姿は見えない。もっと前にやるべきことがあったのではないか、と思う。
 共立病院と常磐病院では、そもそも成り立ちも置かれている立場が違う。「一市一病院一施設」の方針が打ち出されたあとも、市執行部は、この水と油ともいえる2つの病院の融和を図り、1+1を2や3にする努力を怠ってきた。同じ市立病院だというのに協力態勢をとることもなく、手をこまねいて放って置いた。
 そうした状況を考えると、常磐病院の11人の医師がすんなり共立病院に移るとは思えない。医療の基本は人間同士の信頼だ。にも関わらず、このプランは、すべてが杓子定規で思いやりや温かみが感じられない。それが1番の違和感なのかもしれない。
 医師不足はいまに始まったことではない。研修医制度が始まる前から見られた。そうした兆しをきちんと受け止め、早い時期から手を打って市立病院や地域医療についての明快な長期プランを立てていたら、こうはならなかっただろう。
 いまさらながらに思うのは、市の事業における責任の所在だ。共立病院も常磐病院もかつては独自に職員を採用していた。それは一般 事務職員も同じで、特殊な医療の世界で磨かれ、医者の体質も体に刻んだ。しかし病院の不祥事が噴出して、人事が市の管理下に置かれるようになった。
 病院で育ったスペシャリストが一般職員と同じように異動の対象になり、病院のことを知らない職員が病院に配置された。確かに風通 しは良くなったが、病院事業に対する責任が全体的に薄まり、「大過なく」「当たり障りなく」のスタンスで病院勤務をこなし、他の部署に移っていくことが目立つようになった。
 そうしたことも、腰を据えて病院改革に取り組めなかった一因になっていたのではないか。そして何よりも大きかったのは、歴代市長が病院問題をどれだけ重要視していたか、ということだと思う。
 市の財政は厳しい。貯金とも言える基金はかつて164億円あったが、平成21年度は55億円。にもかかわらず南部清掃センターは平成24年度まで毎年17億円、アリオスは平成33年度まで年12億円払い続けなければならない。しかもアリオスは平成21年度予算で事業費と広報総務費が五億7000万円計上されている。時期を同じくしてラトブや競輪場の建設もあったから、「優先順位 が違っていた。まずは病院ありきではなかったのか」という言葉が現実味を帯びてくる。
 市の財政通は「市立病院の建設は、財政内容から決して不可能ではない。要は市長の政治的決断と市民の理解次第」と言う。いま残されている道はそれを起爆剤にして市立病院の役割や進むべき道を明確にし、医師会・病院協議会とリスクを補い合って市民のための地域完結型の良質な医療を構築することだろう。それには、まずはトップのリーダーシップ、そして情熱と良識を持った医療カリスマの存在が不可欠だと思う。







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編集後記田人お伽草紙草野天平の頁日比野克彦のページ
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