いわきの場合、救急車の要請があった患者の病院の振りわけは、最前線の救急隊が担っている。現場に駆けつけた救急隊は、緊急性があればすぐ共立病院の救命救急センターに運び、中等症(入院や手術の必要がある)なら、まず、かかりつけの病院、次に最も近い病院、それから近い時には二次輪番病院に連絡し、搬送する。かかりつけ医が診療所の場合、一般
に搬送の選択肢にはならず、狭間で迷った場合には、救命救急センターの小山敦センター長に相談している。
二次輪番病院は市内に18病院あり、そのうち告示病院が共立、常磐、福島労災、松村、かしま、呉羽、竹林の7病院で、基本的に告示病院と非告示病院でペアを組み、救急当番日を決めている。告示病院は病院によって年間の当番日が違い、本年度、最も当番日が多いのは共立病院で148日、次いで松村病院の107日、常磐病院の81日となっている。非告示病院はそれぞれ月に2日、年間で24日と決めている。
しかし二次救急は当直の医師が担当しているため、日によって診療できる科が異なる。また、休日や夜間に放射線技師や臨床検査技師がいるのは共立病院と松村病院だけで、例えば、ほかの病院で整形外科医が当直でいても「レントゲンが撮れない」と、救急車の受け入れを断られることもある。それにいわきは広いので、距離的に当番の病院に運びにくいこともある。
救急患者の4割は軽症で、本来ならかかりつけ医など診療所で済むのだが、休日や夜間は無人になる診療所が多く、軽症の患者の受け入れ病院を決めるのは難しい。昨年、現場に着いた救急車が搬送する病院を決めて、出発するまでに30分以上1時間未満かかったのは849人、1時間以上1時間半未満は40人、1時間半以上2時間未満が九人いた。2時間以上かかった人も1人いたが、患者本人が薬を飲んで搬送を拒否したためだった。
すでに来年度の輪番当番日のカレンダーができている。市立常磐病院は四月から、財団法人ときわ会に委譲され、竹林病院は診療所になって輪番病院から抜けるが、民間になる常磐病院の当番日は本年度の常磐病院と竹林病院の日数を合わせた程度という。しかし施設工事などのため、この1年はこれまで市立常磐病院が受け入れたようにはいかない。市立常磐病院は、救急車受け入れの七割が休日と夜間で、救急体制の手薄な時間帯を補ってきた。その穴を埋める方策を考えるとともに、二次輪番を抜けたいという病院も出てきているなかで、現状に合ういわきの救急体制を急いで再構築しなければならない。
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