日本の医療制度は現状で十分充実している。国民皆保険制度が機能し、保険証さえ持っていれば、どこでもだれでも医者にかかれる。アクセスも良い。少ない費用と少ないスタッフで回していて、実にうまくいっている。ただ、在院日数が長い、という問題がある。これは福祉が遅れているということ。単純に、それらを時間をかけて是正していけばいいのに、なぜいま医療改革なのか、それが理解できない。
今回の医療制度改革をわかりやすく言えば、医療のアメリカ化であり、市場原理主義の導入。それは病院の企業化とも言え、財団など非営利法人のケースが多い日本では、なじみにくい。このままだと、患者負担が増え、療養病床が多い病院は苦しい経営を迫られることになる。結果
、行き場のない療養難民、介護難民が増え、病院も淘汰されることが予想される。「お金の切れ目が命の切れ目」になっていく。
患者負担が増えるから、入院しずらくなり、結果民間保険の加入者が増えるだろう。お金は、そちらに流れることになる。野中広務さんが「3割も負担を求めたら社会保障とは言えないのではないか」と言っていたが、そうだと思う。
現在38万床ある療養病棟が、6年後には一気に15万床まで減ることになる。その受け皿はどこになるのか。在宅では到底無理で、老健施設や民間の有料老人ホームが担うことになっていくのだろう。
まず経営が安定して、はじめて良い医療と理想の医療が考えられる。医療改革で収入減となり、医師不足が深刻ないま、病院運営できゅうきゅうしているのが現状。財務省主導の小泉改革がこのまま進めば、診療所にするか老健施設にするかの選択しかなくなるのではないか。病院にとっても、患者や家族にとっても大変な時代になっていくと思う。
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