昨年12月、市消防本部はいわき市医師会長の石井正三さんに「病院協議会や個人開業医に『自分の患者が救急で来たら受け入れてほしい』と働きかけをしてほしい」とお願いした。
救急車で運ばれる患者の約半数は軽症。診療と生活の場が別になっている個人開業医も診療時間内の午後5時までの救急は受け入れてほしい、という思いからだった。今年3月には5消防署の署長が管轄区域の病院、個人開業医を訪ね、再度、お願いした。
救急車で患者を運ぶ時、救急隊は患者の容態に合わせ、運ぶ場所から近い適した病院を選ぶ。断られればその次に近いところ、それもダメならその次というように、受け入れ先が決まるまで連絡を続けて探す。連絡する回数はこのところ増えている。それに伴い、救急車が患者を病院に運び届けるまでの時間も延びている。
一番の原因は病院の夜間スタッフが足りないことにある。個人開業医は診療時間が終わると医師などのスタッフがいなくなってしまうため、軽症でも救急の患者を運ぶことは無理。おのずと当直のいる病院を頼ることになるが、医師不足で以前のように受け入れられない病院がある。その不足分をいわき草木台総合クリニックが補っている。
共立病院の救急救命センターには片方で三次救急というセンターの役割を守りながら、重軽症どうであれ、受け入れ先のない場合には最終的に受け入れてもらっている。
いわき市内の二次救急輪番病院になっているのは、共立、常磐、福島労災、松村総合、呉羽総合、竹林、かしまの七救急病院と、松尾、菅波、いわき湯本、いわき、幸島、大河内、櫛田、小名浜生協、中村、石井脳神経外科・眼科の合わせて17病院ある。
このところのデータでは救急車の利用の約半分は65歳以上の高齢者、また4割は軽症の患者。利用の理由は多い順から急病、交通
事故、けがとなっている。状況に合わせて医師会が体制を整え、医療機関同士が協力していかないと、いわきの救急はやっていけなくなる。
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