いわきでくらして12年になる。毎日、温泉に入ってくらしたいという、描いていた老後を過ごせる土地を探していた時、たまたまある広告を見てこの地を訪れ、東京から越してきた。いま、医療の仕事をお手伝いしている。
いわきには共立病院神話がある。風邪をひいても、ちょっと擦りむいただけでも、大病院を志向する風潮がある。すべて共立病院で対応できればいいが、医師が不足していて難しい。だから患者も勉強して、ホームドクターを持つことをお勧めしたい。
それも信頼できるホームドクター。その医師は何を得意とし、どこの病院、そして医師とどういうつながりを持っているかまで、患者側が把握してホームドクターにする。「クリニックの医師はただ病院を紹介するだけじゃないの」と思っているかもしれないが、何もしていないのではない。
きちっとした医療情報を持っている医師は、必要があれば的確な病院を紹介してくれる。共立病院に行ったほうがいいこともあるし、もっと小さな病院でもいいこともある。ホームドクターが患者の病状の経緯からうまく整理しないと、患者は1つの病院に集中してしまう。
病院を紹介する際、医師がきちっとした情報を持っていないと、患者はいくつかの病院を点々としなければならなくなる。そして、わたしたち患者もこの病気に対応するにはあの病院のあの先生など、医療情報を持っていなければならない。
いま、このまちは高度医療ができにくい現状にある。でも東京の病院に行こうとは思わない。東京へ行っても単発的な病院になってしまうし、こっちで培った医療の知識、この医師は何が得意、こういうときはどこの病院にいけばいいという情報を得ているから。
うちのやつは大動脈瘤を持っているけれど、その性格、それにもし入院や手術をしなければならなくなった時にどうすればいいかまで考えて、病院を選んだ。
2年前にわたしは1カ月ほど共立病院に入院したことがある。医師や看護士は、患者がその言葉遣いやマナーで傷つくことがあることを、意識してほしい。一番大きくて、高度な医療をしていると思うと、言葉遣いにも鈍感になる。
患者の気持ちにどう寄り添うかが課題。偉ければ偉いほど「お前らは言うことを聞いていればいいんだ」という言動になる。それを考えてほしい。
このまちの医療体制をつくるためには、患者の教育と医師など医療者の教育の両方が必要だと思う。しかしそういう機関は存在しない。それに行政、医療機関、患者の接点もなく、それらの接点が重なるような機関でもあるといい。
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