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 いわき市立病院の医療体制が、新年度から新しくなった。公営企業法全部適用の導入、一市一病院二施設制への移行。そうした中で、市は新たに病院事業管理者を置き、問題山積の病院の舵取りを任せた。初代管理者になったのは、元福島県立医科大事務局長の鈴木孝雄さん(63)。医師不足、赤字体質、さらに将来的な病院の建て替えという難題を背負って、これからどんな対策をとっていくのか、話を聞いた。



 ― 今回、だれから話があったのですか
 櫛田市長本人から。県会議員と県職員、同じいわきの出身という関係で以前から交流があり、「どうか?」と言われました。私はあくまで事務屋なんで、医療の本質まで理解することはできない、と思っています。県立医大も学長経験者が管理者をしていることもあり、「医者がいいのでは」とそれとなく言いました。

 ― 共立病院に対する認識は
 いわき生まれ・育ちなので「死ぬときは共立で」という意識が強いですね。共立でだめだったら仕方ない、ということです。地域にすごく信頼されている病院だと思います。

 ― その共立が、医師不足のために診療科目が減っています
 いまの医療は専門性が強まり細分化されている。それも大きいと思います。かつては内科と外科といった感じで、範囲が広かったですから。例えば「小児外科」とか「呼吸器外科」。県立医大にはそういう診療科目はないですからね。病院の歴史や地域の要請があって、いまなのでしょうが、標榜科目に沿って医師を集めていくのは大変だと思いますよ。

 ― 難題山積ですが、どうしていきますか
 公共性と経済性のバランスを、どうとっていくかでしょうね。「公共性」とは安全安心の医療。それは医師確保とレベルの維持です。一方「経済性」は安定した経済基盤の確立。赤字体質からの脱却ですね。収益が悪いことばかり続くと、安全安心は成り立たない。いい医療を提供できにくくなります。
 でも、公立病院の使命といえる救急救命、政策医療(結核など)、高次医療は守らなければなりません。しかもこれらは不採算部門です。問題はそれ以外のものです。そこで問題意識、企業感覚を持っていただく必要があります。

 ― 公立病院が赤字体質に陥る原因とは
 よく指摘される「看護師など医療スタッフの人件費が高すぎる」というのは、その通りだと思います。ただ、それは公立病院の体質で、全国津々浦々、どこでもそうです。公務員制度で守られているわけですから、それは仕方ないと思います。問題は、それぞれの意識です。
 これまでは赤字が出ても、それはだれの責任かわからなかった。市長なのか、病院長なのか、事務局長なのか。今度ははっきりしました。病院事業管理者である自分の責任ということです。それがきちんとしないと、病院は回っていかないんです。

 ―一番問題な医師不足をどう解消していきますか
 医師の世界に精通している病院長との連携でしょうね。医師と事務方、それぞれがやれることを話し合い、内部すべての立場を理解しながらコミュニケーションをとって、問題の解決に向かっていかないと…。医師でなければできない、事務方が超えられない領域、というのが病院にはあるんです。そこでどう役割を分担するか、が大事です。まずは、みんながやる気を起こすようにすることでしょう。全員がやる気を起こし、一つの目標に向かっていかないと黒字になりませんから。

 ― やる気を起こすにはどうすればいいと思いますか
 まず、医師の忙しすぎる現状を解決する必要があります。それには医師の確保、ということになるのですが、住宅や福利厚生、研修制度の充実など、処遇の改善というのも1つの方法でしょう。すでに給与面の改善や奨学金制度が始まっていますが、医師が居つく条件というのは複合的でさまざまです。勉強ができる、論文が書ける、というのもある。指導医の存在も大きいのです。そうしたあらゆることに手だてを講じながら、より長くいてもらい、一方では派遣先にお願いしていく。
 医師が病院を選ぶ条件というのは、お金だけでもないし、やりがいだけでもないんです。
 不都合な部分を根気よくはねのけながら、態勢を整えていく必要がある。それには時間がかかります。短期、長期という考え方で対策を練っていかなければ、問題解決にはなりません。

 ― でも、現実的には、患者の他地区搬送が起こっています
 これはどこでもあることです。医師がいてもそういうことは起こります。住民の要望と行政ができる部分でのマッチングをどこに置くか、それは行政の永遠の課題かもしれません。

 ― 最後に抱負を
 病院事業管理者を置くということは、経営形態が変わるということ。病院が変わる第一歩になります。それには医師も職員も住民もみんなハッピーにならないと。まず安定した経営をして信頼される医療を提供すること、それがみんなの幸せにつながる。そのためにも病院でいいものをつくり出すためのコーディネートをし、さまざまな職種がある病院スタッフのチームワークを高めていきたいと思っています。そこからですね。いまはレクチャーを受けて、現状把握に努めています。

 すずき・たかお
 1943年(昭和18年)、いわき市平生まれ。磐城高校から日大法学部を経て県職員に。ふりだしは、いわきの県税事務所。その後、税務課長やビックパレット館長などを務め、県立医科大事務局長(2年間)を最後に退職した。妻・文子さん(58)を福島の自宅に置き、単身赴任。63歳。








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