タイトルの「三重奏」は書簡、没後に寄せられたことば、没後の主な出来事の構成からつけられた。以前、天平の手紙と随筆を集めた『挨拶―草野天平の手紙』が出版されており、この本はその姉妹版となる。
二つの本は、夫人・梅乃さんがいたからこそできた。草野天平という詩人の存在をなんとかかたちに残したい、その一存で梅乃さんは生きてきた。天平の手紙を集め、写
して返す、その繰り返しが『挨拶―草野天平の手紙』に結集された。今回の本はそれから、33年後の2002年、天平没後50年を記念して、発刊された。その中には、天平と交流のあった人はもちろん、天平死後に天平に魅せられた人たちの文章も載っており、「天平への思い入れ」が集約された内容になっている。この中で子息・杏平さんは「まさに本書は母の努力のモニュメントである」と書いている。