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 原子力発電所の影響で誰も寄り付かなくなっている もう食料が底をつきかけている オレは電話で話を聞く 本当に助かるのかと最近思うんです なんて言うと被災地に励まされる 避難した方が良いと言うとオレより冷静に大丈夫という

 その日、ラッパーの狐火は会津・漆の芸術祭2012のシンポジウム会場で、1人マイクを持ってライブをした。本人曰く「詩の朗読」。音楽はあくまでBGMで、こころの底から湧きあがってきた言葉を吐き出す。それはまるで、狐火と言葉のボクシングみたいで、集まった人たちもほかのパネリストたちも、そのうねりに呑み込まれた。
  「アートにできること できたこと」をテーマにしたシンポジウムだった。しかし前半の1時間半の話は、狐火の詩の朗読で一瞬にして消えた。無口でシャイな青年がひとたびマイクを持つと、ユーモアいっぱいに語り、実体験をありのまま、ストレートに生々しく、等身大で伝えた。

  狐火こと、西野良宣さん(29)は福島県東白川郡塙町で生まれ育った。高校時代にロックバンド「ドラゴンアッシュ」に出会い、いわき明星大学に入学後、ラップを始め、グループを組んで活動した。卒業後は仙台の会社に就職し、1年数カ月で辞めてあこがれの東京に出た。
  幼稚園児のころ、ラジカセでその日の出来事を録音して楽しんでいた。小学生の時は先生に作文をほめられるのがうれしかった。中学時代は学校で配布された日誌に、真面 目に毎日、日記を綴った。書いたものを人に見てもらうのが好きで、その延長上に、ラップ、詩の朗読がある。
  2007年の年末に、活動していたグループは解散して、1人になった。そして初めてYou Tubeで自分のラップを発信した。「僕に五分だけ時間をください」。ラップを始めた大学時代からこれまでを振り返りながら、音楽をやめて実家に帰ろうかと迷っている葛藤をそのまま詩にした。
  あのころ、デモテープを持ってあちこちのクラブを回った。「僕に5分だけ時間をください」と。それから何年も経って、あこがれの東京で、お客さんの顔色を伺いながらライブをしている。実家に戻った方がいいのかもしれないが、自分からラップをとったら何も残らない。まだ続けるから「もう一度、チャンスをください」と祈る。
  それをネットで聞いた人から、「ライブをやってみない」と依頼があった。かっこ悪い、ありのままの自分を1人、好きなラップで伝え、それが受け入れられた。このやり方でいいんだ、と自信がついた。

  それからも日常を日記のような詩にして、自分の声とリズムで伝えている。その言葉は個人的でありながら、いまの実情を直視し、みんなの思いを代弁している。
  昨年3月11日、震災と原発事故が起きて、塙町の家族、いわきや仙台の友人、知人を心配した。もちろん、その日々も「声の日記」にしてある。




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