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ジュンイチは映画「スタンド・バイ・ミー」を見るたびに思い出すことがあります。幼いころ、集落の仲間たちと遊んだ遠い日のことです。
一番燃えたのは山の中の基地作りでした。枯れ木やススキを集めてロープでくくりました。その隠れ家は子どもたちの誇りでした。宝物を集めては見せ合い、戦争ごっこをしました。
「夏休みか」。ジュンイチが記憶をたどると、「夏休みの友」をしているグループがいました。どうも午前中のようです。その中に自分もいます。年上の子が年下の子に勉強を教えています。午後からは川遊びです。上級生がまとめて、四時川に連れて行こうとしています。川に着きました。上級生たちは、小さい子たちの行動を監視しながら、ウグイやカジカを突いています。ゴミがなく水がきれいです。
そこまできて、ジュンイチはフゥーと大きな息を吐きました。あのころから四十年近くもたっているのです。「自分が、田人が失ってしまったものって、なんなんだろう」。そう自分に問いかけるとともに、自然の中で遊べなくなった子どもたちの将来を考えざるを得ませんでした。
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