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サワダが旅人をやめる決心をしたのは35歳の時でした。放浪から定着へ。その最大の理由は、山あいの町で両親が経営するガソリンスタンドでした。「そろそろ家を継がなくちゃ」。サワダはそう思ったのです。
地元の高校を出て東京の普通の大学を出たけれど、就職する気になれず、写
真の専門学校に通いました。気がつくとカメラマンとして仕事を始めている自分がいました。そして30歳。サワダはインドへ向かったのです。
インドはすべてが魅力にあふれていました。夢中でシャッターを切ると、そこには必ず雲がありました。その時々で色やかたちを変化させ、表情豊かに移動する雲。そんな雲たちを見るたびに、サワダは心の中でつぶやくのです。
「雲のよ うになりたい」。
サワダが生まれ育ったのは、いわき市田人町旅人(たびゅうど)字糸沢。森の中でカレー屋を営みながらインドを近く感じ、「行儀のいい老人になりたい」と思っています。
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