常磐線全線再開を前に
1月中旬に電車でいわき駅から富岡駅まで往復した。「ビッグイシュー日本版」3月1日発売号のふくしま特集の取材のためだった。ここ5年以上、友人でジャーナリストの藍原寛子さんと特集のお手伝いをしている。 ビッグイシューでは震災・原発事故から丸何年ではなく、何年目というタイトルをつけているので、今年は「10年目のふくしま」となる。3月14日に原発事故以降、不通 になっていた富岡駅から浪江駅間の20.8kmを電車が走り全線再開されるので、久しぶりに常磐線で北に向かった。 学生時代を仙台で過ごしたので、常磐線経由で仙台駅までずいぶん往復している。主に各駅停車を利用し、3時間揺られた。あのころ浪江駅で1時間経過、原ノ町駅で半分、岩沼駅まで来るとあともう少し、と思った。 富岡行きの電車は、いわき駅で東京からの特急と待ち合わせていることもあって、ビジネスマン風の男性が多く乗っていた。とても天気のいい日で、窓越に見える風景は国道6号を走っての風景とは違い、窓越しにカメラを向けた。 四ツ倉駅を過ぎてトンネルを2つぬけると海が見えてくる。末続駅からは、津波の傷跡がよくわかり、末続寺をひとり守るミイ子さんを思った。広野駅を過ぎると、次は新設されたJヴィレッジ駅だが、まだ常設駅でないので通 過した。 そして木戸と竜田駅を過ぎると、もう富岡駅。片道42分の旅はあっという間だった。富岡駅から福島第二原発の建物がほんの少し見えることに、その時初めて気づいた。あの日からもうすぐ9年が過ぎる。