日々の新聞

513号
2024年7月15日

  たった1輪、希望のハスが咲いた。

 毎年、夏が近づくといわき市内郷白水町にある白水阿弥陀堂のハス池が気になる。4、5年前まではこの時期になると、浄土式庭園の池にはピンクの見事な古代ハスの花が咲き、多くの市民の目を楽しませてきた。それが2021年ごろからぱたりと花が咲かなくなり、市民をがっかりさせていた。
 原因ははっきりしないのだが、兵庫県の丹波篠山市の篠山城南堀(国史跡)でも同じような現象が起こった。堀を調べた専門家は「池に放された外来種のアカミミガメ(ミドリガメ)がハスの芽を食べ尽くしてしまった可能性が高い」と指摘。カメが入らないように柵を取り付ける一方で市民と一緒に根気よくカメを駆除しながら苗を植え続け、15年かけて復活させた。
 江戸時代には「蓮の御堂」と呼ばれ、池がハスで被われていたという阿弥陀堂。それを文献で知った赤土隆行住職が20年以上前に茨城県の信者から古代ハスの根茎を譲り受けて、湿地に植えた。そのハスがみるみる増え、この季節になると多くの観光客で賑わうようになった。それだけに、市民はハスが咲かない池を心配した。
 行動を起こしたのは高坂小の児童たちだった。高坂小では2019年(令和元)に赤土住職からハスの種を譲り受けて苗に育て、校内にある「希望の池」に移植して花を咲かせていた。阿弥陀堂の池を管理している市にハス池再生を呼びかけ、2022年から阿弥陀堂の池を復活させるプロジェクトがスタートした。まず校内で苗を増殖し、希望を募って近くの小学校や地域住民などに配って育ててもらった。そして、その思いを後輩たちに託した。

 昨年の9月8日だった。記録的な大雨がいわき地方を襲い、近くの川の水が溢れて阿弥陀堂周辺が水浸しとなった。庭園の池は流れ込んだ泥で埋まって干潟のようになり、アカミミガメの被害から守るために設置した竹の囲いが流出した。池にいたコイも流されてしまった。庭園を管理している市が復旧工事を進め、この7月2日に一般開放が再開した。8日には苗を育ててきた高坂、内町、宮、高野、綴小学校の児童たち120人が湿地に入り、用意した10株分をさらに小分けして池に植えた。ハスが思うように咲かなくなって以来、初めての本格的な移植だった。
 子どもたちがハスの苗を植えた翌日の夕方、阿弥陀堂を訪ねた。殺風景だった浄土庭園の池には大きな古代ハスの葉が点在し、そのなかからたった1輪、ハスが花を咲かせていた。「このまま順調に増えてくれれば」と思わずにはいられなかった。

 

 特集 かづゑ的 熊谷博子監督のはなし

 


フォーク者 イサジ式の最新アルバム「風はまだ止まないが」

 

曲目は次の通り。
No1.風はまだ止まないが
No2.小さな映画館
No3.赤い月
No4.何処へ行くのか
No5.井の頭街道ブギウギⅡ

価格:1000円(税込み)
送料:130円       
 

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