よ よだかの星(岩手県花巻市)

● よだかの星(岩手県花巻市)

 

 数カ月前に「はい、お土産です」と、いわき賢治の会の安斎タツ子さんからいただいた。岩手県花巻市の菓子工房しらはたの「よだかの星」。宮沢賢治の「よだかの星」と関係がありそうと思いながら開けてみると、パッケージに「よだかは星になった鳥です。その鳥の風趣にちなむ銘菓です」と書かれていた。
 姿が醜く、ほかの鳥たちから嫌われていたよだか。自分の運命を悲しく思い、遠くへ行こうと、ぐんぐん空へ向かって飛び、羽根が凍りつくほど高いところで力尽く。気づくと体が青く美しい光になって静かに燃えていた。いまも、よだかの星は燃え続けている――「よだかの星」はそういうおはなし。
 このお菓子、かりんとうのようだが、小判とわらじの中間ぐらいの大きさで、そうは見えない。でも、ばりっばりっと食べてみると、本当にかりんとうだった。ごまが入った生地を薄くのばして揚げ、黒蜜をかけたという。甘さが控え目なので、ぺろっと食べられてしまう。
 どうして「よだかの星」なのかは、手にとってみてのお楽しみ。なるほど…と思うだろう。花巻に行ったら、菓子工房を訪ねたい。