紙面を読んで From Ombudsman | 437号 |
沼田 哲也
4月末、編集長からメールが届いた。「次号の締切りは……」、これって誤送信? 半ばそう思いながら確認の電話をしたら、なんと3回連載とのこと。えー、聞いてなかった(ような気がする笑)。
少し旧聞に属しますが、430号は「まちに映画館があったころ」と題した、聚楽館がらみの特集記事でした。
この、草野心平記念文学館における「映画館の記憶 聚楽館をめぐって」という展示会の開催を知ったのは、昨年秋のことです。その時から心待ちにしていた私は、催事初週に駆け付けました。多分前回は、「コナン」の青山剛昌展に家族で行って以来だから、何年ぶり? 真冬にこんなところまで、わざわざ古い一(いち)映画館の回顧展に駆けつける人なんているのかな? 貸し切りかな? という私の心配をよそに、ぽつぽつとではありますが来場者の入れ替わりがあり、映画館で生業を立てている我が身としても、嬉しい限りでした。
それだけ当時の聚楽館が、いわき市民にとって「特別な場所」だったという証しなのでしょうね。実際に、日々の新聞の1面に使われた開館当時の記念写真を見てもスゴイですよね。建物や絵看板はもちろん、ずらり勢ぞろいした従業員の数! まさに壮観のひと言。
ただ、展示内容はというと、じっくり見たつもりの私でさえ、30分で事足りるものでした。写真以外のものが、のぼり旗とパンフレットぐらいしかなかったからです。これだったら、何年も前に「暮らしの伝承郷」で開催された古い映画館やポスターの回顧展の方が見応えがあり、楽しめましたね。
特定の映画館に限定したから仕方ないのかもしれませんが、会場内に、「併せて、生涯学習プラザの展示もご覧ください」といった旨の案内はあってしかるべきだったと思います。あちらの常設展示も労作で見応えがあるから、併せて見れば一層深まったのに。それに、街の周遊性という効果も生まれますから。市の催事ですからね。これは片手落ちじゃなかったかなぁ。ちょっと残念。
(映画館オフィスマネージャー)
そのほかの過去の記事はこちらで見られます。