紙面を読んで From Ombudsman | 440号 |

箱﨑 典子
最後の稿を“川”か“猫”かと迷ったが、今朝の新聞記事「県が猫の飼い方講座をオンラインで実施」を読み、猫に決定!!
昨今、猫の映像がよく観られ、飼い主と猫の幸せぶりにほっこりとし、ノラ映像には元気で生きろよと、時にウルウルとしている猫婆です。15年ほど前、近所のノラたちに子猫が増え、事故や鴉の餌食や怪我、病気などを目にしたことから、年に何匹か不妊・去勢をし始めた。
その都度、彼らにゴメンネと謝り、昇天させた胎児も多い。お詫びと責任から毎夕の餌運びとなり…手がけたその数も20匹を超えた。死んだ猫たちを何匹埋めたことか。その度にノラの命を考えました。
彼らは不思議にも、死が近くなるとそれまで触れさせなかったのに足元にすり寄ったり、頭を撫でさせたりと、挨拶? お礼? を――次の日からは現れなくなります。なかには不義理猫もいるけれど。
潔かったのは14年生きた「チビアカ」と呼んだメス。お前もそろそろ? と言った時、私の目を見て大きく「ニャーッ」と鳴き、クルリと背を向いて去って行った。私同様、年寄りだったので一番気にかけていたが、それっきりであった。現在は5匹、廃校の校庭の一角でやっている。
余談だが、真夏の強い日差しが四季の中で最も廃校の寂しさを感じさせるのは何故だろう。次は余談ではありません。
以前、大越記者の愛犬への想いの記事を読み感動して間もなく、保護犬施設の劣悪さを耳にした。市では動物愛護施設についての議題がたびたび上るらしいが、その進展の兆しはさっぱりであるとか。福島県は殺処分がワースト3!! いわきは子猫が多く、年に100匹以上にもなるとのことで心が痛む。人間ファーストは勿論だが、こうした動物への視点、命についても一考願いたい。また、飼い主も無責任にならないで欲しい。
猫再び。「父ちゃん」と呼んでいた彼は、ある日、廃校の下の川端で、湯ノ岳に沈む夕陽をじっと見つめ、まるで、もうそっちへ行くよ、というように佇んでいた。その孤独な姿がとても印象に残っている。1年位過ぎた時、きれいな? 白骨が草むらの奥深くにあった。この川は近年、有名になったコンクリート底の洗い越しの川、白水川である。県内外の若者たちが川中の愛車をラインに載せている。
夏場は子供や若者で大賑わいとなる。ただ、ゴミ遺棄はゴメン被りたい――が地域の願いです。やはり「川」にも触れてしまった。
(いわき絵本と朗読の会事務局)
そのほかの過去の記事はこちらで見られます。