omb463号

 紙面を読んで From Ombudsman463 

 

画・松本 令子

 

 安岡 正彦

 第462号の木村真三さんのはなし「小回りの利く身の丈の支援をして息を長く」では、ウクライナ難民支援のあり方が熱く語られています。細々とですが保養キャンプを開催している者としては重なることも多く、心しておかねばならないことばかりです。資金難や会員の減少で保養キャンプをやめる団体もあります。「ずっとつき合っていくという気持ちが一番大事だ」という木村さんのことばは心に響きます。
  2012年に保養キャンプ開催の相談に乗ってもらったのが日々の新聞社の安竜さんと大越さんでした。お二人が参加者を選定してくださり、一回目の保養キャンプは無事終えることができました。多大な宿泊経費を削減するため、教員を辞めて自分で家を建てることを決意し、2年かかりましたが宿泊費の問題は解消しました。油谷のきれいな自然と自前の無農薬有機野菜を堪能してもらえれば保養キャンプは成功したのも同然です。福島では砂場の砂は絶対に触ってはダメときつく注意してきたのに、きれいな油谷の海で砂にまみれてはしゃぎまわる子どもたちを優しく見守るお母さんたち。癒されなければならないのはお母さんたちでもあると気付きました。
 娘が20歳になったときに「なぜ福島で私を生んだの?」ともし問われたら、親として精一杯のことはやった証として、夏休みはすべての期間をわが子たちと保養キャンプ巡りをしていると語ったお母さん。イタリアで小学校低学年のわが子に単身40日間のホームステイをさせたお母さんの話にも驚きました。デトックスのためのみの保養キャンプではなく、北九州や山口の素敵な人たちとの出会いを通じて一回りも二回りも大きな福島の子どもたちになるためのささやかなお手伝いを続けてやっていこうと思っています。

(年金小百姓=北九州市在住)

 

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