紙面を読んで From Ombudsman | 494号 |
吉田 美佐子
古い記事ですが、280号の「月間クロニクル」から。九州電力薩摩川内原発再稼働を市が同意したことに言及されていました。当時、川内原発が再稼働すれば、全国の立地自治体の先駆けとなるというフレーズが盛んに言われ、聞いているだけで気分が悪くなる話でした。
記事とは関係ありませんが、当時鹿児島県知事であった伊藤祐一郎氏は、「女の子はサインコサインより花の名前を覚えさせるほうがいい」と発言して全国ニュースでも取り沙汰されました。こちらも全くもって嬉しくも何ともない話であったことを思い出します。
さて、「川内原発の運転延長の是非を問う県民投票条例制定を目指す」市民団体による署名活動が先日終わり、直接請求可能な約五万筆が集まりました。塩田知事は、請求が行われた場合は県議会での審議を行う、と述べています。
私も署名取りまとめを行う1人でしたが、気になったのは「電気を選ぼう」と標榜していたことでした。電気は選ぶことが可能なのか。風力も風の力だけではまわらないので電気が必要。太陽光はお天気が悪い日が続けばどうなる? 県民投票が実現し、「延長反対」が賛成を上回ったとして「電気を選んだ」ことになるのだろうか。ともかくキャッチーな表現です。
私の手元に山田征さんが書かれた『ご存知ですか、自然エネルギーのホントのこと』(2022年第6刷/ヤドカリハウス)があります。現在80歳の征さんですが、あちこちの講演会に引っ張りだこです。ここには、原子力発電所は必ず火力発電とセットでつくられるということと、その理由が書いてあります。電気についてのバイブルと呼んでいます。
(絵ほん・cafeアルモニ店長)
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