紙面を読んで From Ombudsman | 515号 |
里見 法道
ダイエーとエブリア(鹿島ショッピングセンター)がオープンした1995年(平成7)、私は10歳でした。ちょうど行動範囲が広がる、外で遊びまわりたい年代に開業を迎えたわけです。当然、平に遊びに行きたいわけですが、小名浜に住んでいたので単純に少し遠く、また、「アウェイ感」というか、なんと表現すればいいかよく分からない危険な街、というイメージが平にはありました。そんななかオープンしたエブリアは小名浜寄りのちょうどいい距離で、安心して遊ぶことができる場所でした。
特別何かをしていたわけではなく、ハイカラな回転ドアから店に入り、ダイエーでお菓子を買ってゲームセンターで遊び、マクドナルドでハンバーガーを食べる、という感じです。自転車で行くことが多かったのですが、元気に走って向かうこともありました。バスを利用しても平までの半額以下の運賃でしたから、「高ポイントだったのかな」と思います。横の矢田川に丸太を掛けて渡ったり、バッティングセンターに寄ったり、かつあげされたり…。道中も様々なイベントで溢れていました。「私の血肉の大部分はエブリアでできている」と言っても過言ではないのかなと思います。
現在は小学生の時よりも近い徒歩圏内に住んでいるので、妻の日々の買い物はエブリアのヨークベニマルです。生活に直結する利用者側の妻は「内部のゴタゴタはどうでもいいから営業を続けて欲しい」と言います。その思いはとても切実です。
オッサンとなった私が当時のような気持ちでエブリアに出掛けることはないでしょうが、昔のように賑わいを取り戻し、子供たちの思い出に残るような楽しい場所となる魅力的なリニューアルを待ちわびております。
(丸浜運輸代表取締役)
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