紙面を読んで From Ombudsman | 520号 |

石原 哲也
「日々の新聞」を創刊の時からずっと読ませていただいている。この「紙面を読んで」という欄も、いつも楽しみに読ませていただいている。
なんとなく面白いなと思いながら読んでいたが、その内になぜ面白いのか思い当たった。それは、ある意外性のためではないかと思ったのです。
「紙面を読んで」とくれば、まず紙面を読んでの感想文(あるいは批評文)だろうと普通思う。半年ぐらいはそのつもりで読んでいたら、ある意外性に気づいた。それは、この欄があまり感想文にも批評文にもなっていないことが多いということだ。もちろん、紙面の内容を中心とした想定通りの「紙面を読んで」もちゃんとあるが、かなりの数の筆者は、紙面のことはちょびっとで、それを土台にして、自分の言いたいことを好きなように書いているように思える。そこが、この欄を面白くしているのではないかと思い始めた。
そして、その「紙面を読んで」の内容が、企画した内容と違うとわかっても、平気でそのままにしている編集者も面白いと思ってしまう。型にはまらない「日々の新聞の」自由さが、この欄にもよく出ていると思う。
感想文となれば、まず「褒める」ことが中心となり、けなす人はあまりいない。だから、褒めたって嘘くさいし照れくさいから、それはやめて、自分の興味あることを書くのではないだろうかと言ったら、穿ち過ぎですかね。
ところで、冒頭に、創刊から「読ませていただいている」と書いたが、本当は私は、そうは書きたくないのです。そのわけは……続きは、編集者が次回も書かせてくれたら、書きます。
可能性は五分五分ですね。再見。
(元劇団いわき青春座座長)
そのほかの過去の記事はこちらで見られます。