omb557号

 紙面を読んで From Ombudsman557 

 

画・松本 令子

 

 松崎 慎介

 第554号「3・11の給食のお赤飯について考える」を読んで思うところを書いてみます。
 この話は、3月11日の給食に赤飯を出したこと、そして用意した2000食分の給食を廃棄したことの2つの要素が、世間では話題になりました。昨今の物価上昇により献立作りに苦労されている職員の方々には本当に頭が下がります。そんな中でのこの1件は、とてもショッキングな出来事でした。
 私自身、給食といえば1日の学校生活の中で何よりの楽しみでした。そして、大人になった今でも、懐かしむ大切な思い出の1つです。そんななか、今回の赤飯問題は世代や地域を超えて大きな関心を呼びました。
 記事を読んで思ったことは、一連の行動の中に相手を思う気持ちがなかったのではないか、ということです。献立を作った職員たちは3・11がどんな日かを認識し、その上で卒業を祝えるようにと、気持ちを込めてメニューを赤飯にしたそうです。ところが教育委員会は、自分のところで献立表の印刷をしていたのに内容の確認まではしておらず、幹部4人で廃棄を決めたといいます。
 献立内容を現場に一任しているのであれば、その後の対応についても任せた人たちから丁寧に聞き取りをして決めないといけないのではないか、と思うわけです。献立を考えた人、給食を作った人の思いや労力、そして何より献立を見て楽しみに登校した生徒の気持ちを無視した結果と言わざるを得ません。今回の件を踏まえ、4月からは一部組織が兼務から専属となったようです。組織は変われど、誰を思い考えて行動するのかが変わらなければ、これからも今までと同じなのではないか、と思います。
 献立1枚でワクワクし、学校へ行く活力になる。今日の給食を楽しみに待つ子どもたちを忘れないで欲しいと思います。いつの時代も給食は子どもたちにとっての思い出になります。今は悲しみや切ない思いをした子どもたちにも、いつの日か今回の出来事が思い出に変わり、笑って思い出話ができる日が来ることを願うばかりです。

(株式会社いわきエイジェンシー取締役)



 

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