モノクローム

雑誌「能登」のこと 510号

 能登半島地震が起きて半年になる。いまも倒壊した建物がそのままになっていて、水道が使えない地域もあるようだ。ずいぶん少なくなった能登の現状の報道からは、被災地の肌ざわりがあまりよくわからない。
 先日、編集・発行人の経塚幸夫さんから、地産地消文化情報誌「能登」春号(55号)が届いた。地元の新聞社を退社後、奥さんの実家のお寺を継ぐために金沢から移り住み、2010年に創刊。能登半島の食や文化・芸術、自然、暮らす人々などを伝えてきた。
 地震で輪島市の自宅兼編集室は大きな被害に遭い、金沢に避難し、編集室は間借りしている。印刷寸前まで制作が進んでいた54号の冬号は休刊せざるを得なかった。春号はもちろん能登半島地震の特集。表紙には能登の航空写真に「世界一美しい半島へ。」と、決意表明の文字が並んでいる。
 地震特集は20頁増の120頁。開くと「大切なのは元通りではなく、よりよい郷をつくること」など、能登の再創造のための提言がある。また能登半島地震のメカニズムや被害、志賀原発にもふれ、体験記や教訓、福島在住のフリージャーナリスト藍原寛子さんの「福島から能登へ」と題した特別寄稿も載っている。
 再創造に向けて、これから「能登」は追い続け、年4回伝えていくのだろう。能登の再創造を「能登」を窓に見続けたい。  

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