モノクローム

 詩を読む集いのこと421号 

 日々の新聞の編集室の1階にある「草野天平・梅乃メモリアルルーム」では毎月、第1水曜日に、詩人の斎藤貢さんが講師になって「詩を読む集い」が開かれている。その時々、詩人を1人取りあげて生きざまや足跡を追い、作品にふれ理解を深めている。同じ詩人をシリーズで数回続けることもあれば、1回だけのこともある。午前10時からの始まりなので、なかなか参加できずにいたが、9月の集いに初めて出席した。
 その日の詩人は大岡信(1931-2017)。詩人というより評論家の印象が強く、まず朝日新聞で連載した「折々の歌」が浮かぶ。同時に、発刊されたばかりの岩波新書の「折々の歌」を読んでいたクラスメートを思い出す。
 斎藤さんはお手製の資料(年譜と「現代詩手帳」9月号に掲載されている赤田康和さんの連載「大岡信、詩人とその素顔①」のコピー)を参加者に配り、生涯をたどった。静岡県の三島で生まれ、東大文学部を卒業して読売新聞外報部記者になり、26歳の時、両親を説得してかね子さんと結婚した。
 赤田さんの連載1回目はかね子さんのインタビューをまとめたもので、2人は16歳で出会い、結婚する10カ月ほど前から一緒に暮らし始めた。連載では出会いから、大岡信の代表的な詩「春のために」が作られた21歳のころまでが、いくつかの詩とともに伝えられている。
 集いに参加してから、大岡信のことが頭の片隅にあって、本棚から『にほんご』(福音館書店)を取り出した。中学2年生の国語の教科書に載っている「言葉の力」も読み、ことばの宇宙を漂っている。

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