モノクローム

 いわき自慢カルタ423号 

 「『いわき自慢カルタ』を探してほしい」と家族に頼まれた。いわき市誕生25年を記念してグレイトという会社が作った。ネットで調べたが手がかりはない。知人たちも「わからない」と言う。図書館にはあるが貸出禁止になっている。
 それならと平五町目の古書店「阿武隈書房」に尋ねた。「カルタ…その書棚の下に1つあったんだけど」と探してくれ、手に入れることができた。使用感はない。「カルタで『いわき』をひと巡り」と書かれた箱には、作者のメッセージが添えられていた。
 そこには、日本一の広域都市いわき市の理解を深めるために作製した、と綴られている。1992年製のカルタ。その後、平成の大合併が各地で行われ、いま、いわきは12番目の面積になっている。
 カルタは読み札には読み言葉と解説が書かれ、裏には地図が載っている。取り札は写真。「あ」は「朝日の波立 夕日の照島」という感じ。
 夕食後、家族で読み札と取り札を1枚ずつ見て楽しんだ。作られておよそ30年。「き」の「キャンプでにぎわう子どもの村」は、いまはない。本丸御殿跡の遺構が見つかった磐城平城は「落日の陽とともに消えた平城」となっている。最後の読み札「わ」は「忘れてならない沢村勘兵衛」で、絵札は小川江筋と沢村神社の写真だ。
 カルタを囲んで盛りあがったあと、いまならどんな「いわき自慢」のカルタを作るだろうと想像した。

(章)

そのほかの過去の記事はこちらで見られます。