あさがおの種 | 425号 |
11月も中旬になり、ずいぶん寒くなった。それでも朝、庭に出ると、あさがおのカーテンがまだ、小さな花を2つ、3つ咲かせている。2階から下ろしたネットをそろそろはずしたいけれど、毎朝、咲くあさがおの小さな花を眺めては、もう少しと思う。
このあさがおは、日々の新聞が昨年から参加している、日比野克彦さんの明後日朝顔プロジェクトのもの。送られてきた17粒の種を昨年、編集室の入口にプランターや植木鉢を置いて育て、秋に収穫した種を今年、編集室とわが家、おすそ分けした学校でまいた。わが家と学校はネットにつるを絡ませて、あさがおのカーテンにした。
編集室でもカーテンを作りたかったが、それには1階の窓の下の植物を除かなければならず、昨年より長い竹の支柱を立てて育てた。しかし、あさがおは軽々、竹より大きくなり、木枝につるを伸ばし、ほかに頼れるものがないあさがおは、竹にぐるぐる巻きになった。
わが家のあさがおのカーテンは、ネットを越えて2階のベランダのフェンスにまでつるを絡めた。学校もそう。この夏は暑かったので、朝と夕の水やりを欠かさなかったこと、1、2度、肥料を与えたことがよかったようだ。
このところ、休日には茶色く枯れた殻を摘み、夜、種をとり出している。編集室の種も1度、収穫し、そろそろ2度目をしないといけない。たった17粒から始めた種が、2年目で何千粒、もしかしたら万に届くかもしれない。おすそわけも始めていて、盛岡や佐賀などに届けた。ちいさな種まきが、やがて大きな広がりになる。
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