ビタミンDのはなし | 427号 |
今年の初めに、ひょんなことから骨折した。ひねっただけだと思って放っておいたら、痛みが増していった。整形外科で「折れているね」と言われ、1週間ぐらいそのままにしていた自分にあきれた。春にはよくなったが、同じ年代に比べていくらか骨密度の値が低く、骨粗鬆症の予防に2種類の薬を飲んでいる。
その一つがビタミンD。飲み始めてどれくらい経ってからか「新型コロナにビタミンDも有効なのではないか」と耳にし、予防になればと家族に勧め、みんなで飲んでいる。
ビタミンDは、骨の主成分のカルシウムの吸収を助けることはよく知られているが、ほかにも免疫力を高め、ウイルスの複製率を低下させる物質を誘導したり、炎症を抑える物質の濃度を高めたりする。
ニューズウィーク日本版の最近の報道によると、ビタミンDを投与することで新型コロナ感染症の重篤化を防げることが、スペインの研究で報告されているという。ただ現時点では、ビタミンDが新型コロナを予防すると確信できるデータや、血中のビタミンD濃度が低い人と高い人での罹患率の比較のデータはない。
参考までに、ビタミンDが摂れる食材はキクラゲやシイタケなどのきのこ類、サケやマグロ、サバなど脂肪性の魚、バターやチーズなど。子どものころ、学校で給食の時に渡された肝油ドロップもビタミンAとDを摂取するために作られたものだ。
一般的に女性や高齢者は血中のビタミンD濃度が低めだが、高すぎてもよくない。服用中の薬があれば相互作用も考慮しなければならず、ビタミンDを飲む場合は、かかりつけ医に相談するのがいい。
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